生かされて。LEFT TO TELL Discovering God Amidst the Rwandan Holocaust

ルワンダ大虐殺」の記事をTBしたことで友達になった「ロックどくみの読書日記」の「鍵読美」さんに、同じルワンダ大虐殺に関する本があると教えてもらったので購入してみました。

生かされて。 Book 生かされて。

著者:イマキュレー・イリバギザ,スティーヴ・アーウィン
販売元:PHP研究所
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:D

内容紹介のようなもの

1994年、100日という短期間で100万人のツチ族が殺されたルワンダでの大虐殺。隣人や友人が突如として殺戮者と化したルワンダで、小さなトイレに3ヶ月の間、6名の女性とともに身を隠して生き延びたツチ族の女性の手記です。

第一部 嵐がやってきた

第1章 永遠の春

第2章 立ち上がる

第3章 より高い学びへ

第4章 大学へ

第5章 家に帰る

第6章 もう戻れない

第7章 牧師の家

第8章 少年たちとの別れ

第一部では、人種差別偏見などということは考えられなかった子ども時代のこと、恵まれた家庭に生まれたこと、優しい家族のこと、民族差別に苦しみながらもしっかり勉強して大学に進学こと、虐殺がはじまりフツ族の牧師の家にかくまってもらったこと、親や兄弟たちとの別れ、などについて書いてあります。

第二部 隠れ家へ

第9章 トイレに隠れる

第10章 怒りと戦う

第11章 許すことの難しさ

第12章 助けを求める友もなく

第13章 孤児たちが集まる

第14章 言葉の贈り物

第15章 予期せぬ救助者

第16章 信仰を持ち続ける

第二部では、牧師の家のトイレでの6人の生活、何度もやってくる殺戮者たち、牧師の家族の中の殺戮者、フツ族に対する著者の怒り、極限状況での悪魔の囁きと神との対話、許すことの難しさ、幼馴染の友人であるフツ族の女性が著者の罵っていたこと、2人のツチ族の女性が増え8人でトイレで生活するようになったこと、トイレでも勉強したこと、フランス軍が近くにやってきたためにトイレから出たこと、などについて書いてあります。

第三部 新しい道

第17章 自由の痛み

第18章 ダマシーンの手紙

第19章 慰めのキャンプ

第20章 解放への道

第21章 キガリへ

第22章 神の御業

第23章 死者を葬る

第24章 生きている人を許す

第三部では、かつての恋人との再会と別れ、親や兄弟の最後、フランス軍キャンプでの出会い、フランス軍に見捨てられたこと、偶然により助けられたこと、偶然により国連関連の仕事につけたこと、外国にいて助かった兄との再会、家族の死体を探し出して埋葬したこと、家族を殺した人を許したこと、などについて書いてあります。

エピローグ 新しい愛、新しい人生

部屋主の感想

最初にある推薦文を読んでる時点でまず気持ち悪くなりました。なんだこの推薦文は?キリスト教の布教活動かと思って反吐が出そうになりました。内容も全体的にそんな感じで、読後には妙に疲れていました。

部屋主は、別に布教活動が悪いといってるのではありません。キリスト教自体も幼稚園がミッション系だったこともあり、今の部屋主の人格形成に影響を与えてますし(特に罪やら罰やらの意識の面で)、その思想の中には素晴らしいものがあることも知っています。

ただ、こういう騙し的な手法を使ってるのが気に喰わないというだけです。実際、アマゾンのレビューを見たら、推薦文と同じような賛辞の言葉ばかりが並んでいましたし。レビューしてる方たちが、同じように布教的な理由で書いてるならある意味で仕方ないですが、純粋で真っ直ぐな人が書いてるならとても悲しいと思います(理由は↓で書いていきます)。

以前に紹介した「ルワンダ大虐殺」の著者レヴェリアンは、この虐殺で信仰を失い今も苦しんでるわけですが、同じように虐殺を生き残りながら信仰によって救われ現在は幸せに暮らしているこの本の著者との比較をしたかったわけですが、正直なんともでした。

信仰とはそもそも論理的でないといわれればそれまでかもしれませんが、虐殺中に神に祈ったが救われなかったレヴェリアンが神を呪うのは理解できます。

しかし、この本の著者イマキュレーが、憎しみと悪魔の囁きに打ち勝ち、神が自分を生かした、生き残らせた、といった考えを育て上げていき、殺戮者を赦すのですが、その思考過程が全く納得できずです。

自分の役目やらどうのこうのと言う前に、神がいるならこんな虐殺が起こるはずがないと思うからです。

↓でまた書くように主観的で納得いきかねる妙な記述も多く、上記のように論理的でないので当初の目的である比較が無理でした。

結局のところ、憎しみの連鎖をとめるのは赦ししかないと部屋主も思います。だから著者の行動は結果的に素晴らしいことだと思うのですが、そこに神の要素が加わることでかなり胡散臭くなります。

しかも、この本の途中の神やら悪魔やらの記述はどうにもおかしなことだらけでして。虐殺とトイレという狭い空間での精神的ストレス、栄養失調などなどの身体的ストレスによる幻聴によるものとしか・・・

兄であるダマシーンの最後の言葉もどうにも捏造くさいし(レヴェリアンも主観的記述がメインですが、論理的で冷静なのですが、こちらの主観具合は上記のように幻聴チックですし、伝聞系が多いのですよ)。あれだけのことを誰が記憶していたのか。いくらなんでも無理でしょうと思うのが普通のように思います。後半の偶然も神の御業と思えるのも理解できませんし。

あと、赦しについては、目の前で40人を超える家族を殺されたのを目撃し、自らも大怪我を負いながらも生き残り、死体の山の中を這いまったレヴェリアンと、3か月の間、非常に苦しい環境とはいえ殺戮者であるフツ族の牧師に匿われて助かったイマキュレーとは違いがあるのかとも。

虐殺時の年齢もレヴェリアンは15歳、イマキュレーは大学生だったという違いもありますし。その他の環境も色々と思うところはあります。

冷静にこうやって比較してる部屋主自身に少し凹みますが、そういう点でも色々と考えさせられる本ではありました。

なんにせよ、こんな虐殺が二度と起こらないようにと思います。というか、自分自身のために、そして次の世代のだめにそういう世界にしていく責務が自分たちにあると思います。そのために行動している著者は素晴らしいと思います。

部屋主がこの本から選ぶ格言

私は、私たちの命はすべてつながっていると信じています。ということは、私たちは、他の人の経験から学ぶことができるということです。私は、たくさんの人々の魂の役に立つことが出来たらと祈りながら、この物語を書きました」本文より

序文みたいな感じの著者ノートからの抜粋です。部屋主も命はつながってるの思うし、他人の経験から学べると思うので、こうやって読書は欠かさずやっております。皆様もこういう風に辛い世界の現実から目を逸らさずにしっかりと見つめて欲しいと思います。それが世界を変える第一歩だと部屋主は思います。

私は誓いました。いつかきっと、私が十分に強くなったら虐殺で残された孤児たちのために出来る限りのことをしようと。彼らの人生に希望と幸せをもたらすように努力し、彼らから両親と家族の愛を奪うことになった人種間の憎しみを、彼ら自身が抱くことのないように導こうと」本文より

憎しみの連鎖を止める為には、確かにそういう風にしなければいけません。ここには具体的なことは何も書いてないのであれですが、思想の根っこはこれで正しいと思います。ただ著者は熱心なカトリックであり、宗教がいかに戦争・紛争と結びついているかを著者はもう少し理解した方がいいかと部屋主は思います。

このような意味において、宗教嫌いの日本人は(ステレオタイプ的なのであれですが)、これからの世界平和において重要な役割を占めることが必要であると、卒業論文を締めくくった懐かしい思い出があります。

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ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記

ココログのメンテナンスで色々できなくなってましたすみません。

本紹介の記事をやらなければということで今年一発目の本紹介はこれでいきたいと思いそろそろます。読めばテンション下がること間違いなしですが、人間とはここまで残虐になれるものだという目を背けてはいけない姿がここにあります。

今回は伝えたいことやグッときたテキストが多いので(グッときたテキストの質が漫画紹介などの時とはまるで違うことはいうまでもないですよね)、各章の紹介の後に記載してみました。

ルワンダ大虐殺 〜世界で一番悲しい光景を見た青年の手記〜 Book ルワンダ大虐殺 〜世界で一番悲しい光景を見た青年の手記〜

著者:レヴェリアン・ルラングァ
販売元:晋遊舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:A

内容紹介のようなもの

1994年、20世紀最後の「ジェノサイド(フツ族がツチ族を)」が行われた「ルワンダ(アフリカ)」で、たった15歳という年齢で自分の目の前で知人たちに43人の家族を皆殺しにされ、自らも片腕を切られ、片目を抉られ、鼻を削がれ、肩を砕かれ、それでもなお生き延びた著者が語る驚愕の真実・・・

第1章「三つのキーワード」

ジェノサイド(ある国民・民族・人種・信者の全員もしくは一部を殺戮する意図をもって行う行為)」・「マチューテ(南米で用いられる伐採用の刀)」・「憎悪」という大虐殺を語る上で語れない要素について解説しながら、簡単に大虐殺の概要について説明してあります。

無関心・卑劣・偽善から、国際社会はルワンダで新たな虐殺が行われるのを止めようとはしなかった

この虐殺は、政府首脳が決定した政治的行為であり、フツ族の人口の相当数が実際に手を下したということである。つまりこの政策の立案者は、こうした展開になるように意図してあらゆる司法的追及から逃れようとしたのだ、そのためには民衆をできるだけ多く巻き込む必要があった。彼らの言うとおり『全人民を裁判にかけることなどできやしない』のだから

第2章「幸せな日々」

著者が生まれる前(正確には母のお腹の中にいた)に撮影された父・母・叔父をはじめとしたツチ族とフツ族人間(計15人)が仲良く写っている結婚式の写真についての想いについて書いてあります。

今日を楽しみ、結婚式を祈っていた人々が隣近所の人たちや、お祝いを言ってくれた人たちに切り刻まれたのだ

第3章「順境にあっても逆境にあっても」

ルワンダの歴史(巻末に年表あり)や人口構成(フツ族85%、ツチ族14%、トゥワ族(ピグミー系)1%)、大虐殺を生き残った人間の多数が殺戮後におこなわれた裁判で虐殺者側に不利な証言をしたために殺害されたこと、などについて書いてあります。

第4章「楽園から地獄へ」

著者は子供心にルワンダは3つの民族が共存している良い国だと思っていたこと(実際にはまったく違うが普通にフツ族の子供たちと遊んだりしていたのでそう思っていた)、実際はキヴ湖を巡るフランスとイギリスの利権争いがあり支配の都合上民族を分離しその対立を煽ったこと、それをベルギー政府が利用したこと、などについて書いてあります。

第5章「死の園」

ついにはじまった虐殺の直後、家族同然だった教会の司祭や修道女が去ってしまったこと、ツチ族が逃げ込んだ丘にある教会には逃げ場がなかったこと(武器どころか隠れ場所すらなかった)、プロの殺し屋集団(フツ族の民兵組織)がやってきて、ツチ族狩りをはじめたこと、などについて書いてあります。

私はほんの15歳の子供だというのに、間もなく死ぬ運命にあった。一緒にサッカーをし、一緒にミサの侍者を努め、一緒に牛の番をした友人の父親に殺されるのだ

第6章「母の赤いスカート」

著者とその家族43人が隠れていた教会近くの番小屋にもついにフツ族がやってきたこと、やってきたのが知人だった「シボマナ」という男だったこと、家族たちが次々に殺害されていったこと、フツ族の男たちの妻やその娘たちが死体から金品を強奪していったこと、著者がおこずかいを貯めて母にプレゼントした赤いスカートを奪って裸にして辱めてから殺害したこと、この瞬間に著者の中の信仰が死んだこと(ルワンダは敬虔なキリスト教徒の国)、などについて書かれています。

「三日間飲まず食わずだったが、そんなことはどうでもよかった。もうすぐ死ぬというときに、喉の渇きもなにもない」

「シボマナは素早い動作で伯父の首を切り落とす。ホースから水が噴き出すように、血しぶきが笛の音のような音を立てて鉄板屋根までほとばしった」

「シボマナはマチューテの一撃で子供を黙らせる。キャベツを割るような音と共に、子供の頭蓋骨が割れる」

「シボマナはたっぷり時間をかけて母の腹を切り裂く。その時、母がこうつぶやくのが聞こえた。『お父さん、お母さん、私はなんのために生まれてきたの』」

第7章「牛には止めを刺すが、ツチ族には止めを刺さない」

ほんの1・2分の間に家族のほとんどが殺されてしまったこと、サッカー場だったところが広大な殺戮の場所となり何千という死体で埋まっていたこと、弾代を払うから銃で一思いに殺してくれと懇願した伯父とそれすら拒んだフツ族の男たち、それをみて笑っていたフツ族の女性たち、そして著者が隠れていた番小屋に火を放ったこと、著者がゆっくり焼かれるよりもすっぱり切り裂かれる方を選び外に出たこと、などについて書いてあります。

私の頭蓋骨に向けて刃を振り下ろしたシモン・シボマナの黒い瞳を、決してわすれない~このとき私は、悪魔がこの世に存在することを知った

女性の生殖器官-腹部や膣-に対して、フツ族の殺戮者たちは特別念入りに攻撃を加えている。特には、暴行を加えた後で、世紀を瓶に突っ込んで割るような暴虐にまで及んだ。これはジェノサイドの性格をよく表す特徴の一つである。ある民族を根絶やしにするためには、子孫を残す女性たちを第一に滅ぼさなければならないからだ

「殺戮者たちが、赤ん坊を負ぶって逃げる女を捕まえている。女はま横倒しにされ、まずくるぶしを、次に頭を切り裂かれた(フツ族はツチ族が自分たちより背が高いことを責めるかのように、ツチ族の人間を『短く切り詰め』て『標準体型に戻す』ことにいじの悪い楽しみを見出していた)。赤ん坊の方は、1人の男がつかんで私の隠れている番小屋にまでやってきて、レンガ壁に投げつけて頭蓋骨を割った」

第8章「殺戮者たちよ、私に救いの一撃を」

外にでたところでシボマナたちが笑いながら著者の鼻を削ぎ肩を砕き目を抉ったこと、著者自身も一思いに殺してくれと頼んだこと、ぼろぼろの著者の見てフツ族たちは楽しみ殺すことは決してしなかったこと、などについて書いてあります。

「私は、焼けた肉が放つ耐えられないほどつんとくる臭いにむせ返りながら、くすぶっている残骸の方へ這っていった。死体を見分けることなどできなかった。どれも真っ黒焦げなのだ。最愛の家族のもので残っているものといえば、歯だけだった。何十というあごがこちらを見て、微笑んでいるようだ」

「フツ族の娘たちが死体を縫うように丘を走り回りながら、喉の渇きに苦しむ人々に水を分け与えている。これは罠だ。死にかかっている者が水を所望すると、娘たちはそれを民兵に報せる。すると民兵が止めを刺しにくるのだ

僕を殺してくれ!殺してくれ、お願いだから!

「ゴキブリが泥の中を這い回る姿を眺めているのは、彼らにしてみればぞくぞくするほど楽しい光景に違いない。それを終わらせるなんて勿体ない。~私に止めをさしてくれる者はいない。それどころか私の苦しみを賭けの対象にして楽しんでいる。私があとどれくらい生きられるか賭けようというのだ

「生き残った者の証言によると、殺戮者たちは、赤ん坊二人を教会の薔薇色の壁にぶつけて頭蓋骨を割った後、子供の血の海に母親の顔を浸してから、母親を殺したという

「ジェノサイドが終わった後、教会に戻ってきた修道女たちが、ジャヴェル水をたっぷり使って教会を徹底的に拭き清めたおかげで、今では以前と同じようにミサが執り行われるようになった。最前列には昨日まで殺戮を繰り返してきたものたちが陣取っている。彼らは神に赦しを求めることさえしない。ツチ族を殺すのは罪ではないとでも言わんばかりに。すでに神の赦しは疑いないらしく、満足そうな顔付きで、誰もが何も起こっていないようなふりをしている」

第9章「暗闇の三日間」

腐乱した死体にまみれて著者が死を待っていると国際赤十字委員会のトラクターがやってきて死体のに土をかけはじめたこと、これで窒息できると思ったところを救われたこと、隣国で訓練を積み重ねたRPF(ルワンダ愛国戦線。ツチ族。無敵の軍隊と呼ばれている)がやってきてジェノサイドが終焉したこと、巨大な孤児院で療養するようになったこと、良い神父に出会いジュネーブに行くことになったこと、などについて書いてあります。

第10章「ムギナへ帰る」

スイスで優しくされたこと(何度も外科手術を受けさせてもらったことや学校に通わせてもらったことなど)、ルワンダでのうのうと暮らしている虐殺者を告発するために帰国したこと、瓦礫となっていた生まれ育った家で父の妹と再会したこと、などについて書いてあります。

「周りの人々は思いやりにあふれているけれども、底なしの井戸を満たすことはできない」

第11章「つきまとう殺戮者」

釈明を求める生き残りなど邪魔なだけという雰囲気の中、地元の名士となっているしぼマナを訴えたこと、シボマナは全てを否定したこと、シボマナの殺人を証明する証人がなかったこと、騒ぎを聞きつけてやってきたツチ族の兵士のおかげでシボマナはとりあえず拘留されたこと、その後脅迫され殺されかかり身を隠したこと、隠遁先の学校にはフツ族がいたので荒れていたこと、色んな人の優しさに触れて真面目に勉強しようと決めたこと、シボマナがたった2年で釈放されたこと、著者の首に賞金がかかったこと、元RPF代表の大統領はツチ族に対し和解していこうと言っていること、そして著者はスイスへ戻ったこと、などについて書いてあります。

「フツ族の多くは勤勉でくそ真面目で従順だった。そんな彼らが、命令に従って、民族浄化という社会的義務に従って、殺戮という仕事を素直に遂行したのだ」

フツ族ならどの家庭でも、直接的にしろ間接的にしろ、家族のうちに一人は虐殺に参加している。十人以上の虐殺に加わった家庭さえ結構ある!誰もが血に赤く染まった汚れた手をしているのだ。それなのに、一旦景気を終えるかうまく逃げ延びるかをしてしまうと、自分たちの土地に帰ってきて平然と暮らしている。生き残りのことが頭にありなgらも、忘れたふりをしている。告訴される危険があると見るや、何百人という生き証人が刃物や毒で抹殺された

結局私は、怒りと悲しみの中で言いよどんでしまった。証人がいないのだ!証人となる人はみんな殺されてしまったのだから。私が誠実にものを言ってることが正しいと証明できる人間は、私に止めを刺すことを拒んだあのフツ族の奴らしかいない。何という逆説!

怒りで息が詰まるほどだった。この首に懸賞金がかけられ、今や私を殺そうと狙うものは野放しなのだ。正義がひっくり返っている。改めて司法省に手紙を書いても梨のつぶてだ

「復讐したいという気持ちが私を蝕むのだ~ふと私は、自らの正義を知らしめるために、私の方で殺し屋を雇ってシボマナを殺させようかと考えている自分に気がつき、心の中に湧き上がってきたおぞましい考えに身震いした。このような恐ろしい衝動に身を委ねたら最後、彼らと私の間には何の違いもなくなってしまう!忘れようと努力する気はないが距離を置かなければいけない」

第12章「正面から自分と向き合う勇気」

毎朝鏡に映る自分の姿を見るのが非常に苦痛であること、著者が死なないで生きている理由が子孫を残すことであること、この思いがなければ自殺していたこと、こんな醜い自分と結婚してくれる女性がいるのだろうかと悩んでいること、ジェノサイドの生き残りが抱く罪悪感、心理療法家に恐怖を吐き出したこと、などについて書いてあります。

「何度でも・・・生への放棄へと身をまかせたくなる。しかし、首にロープを巻きつけた瞬間、いつもある考えが私を思いとどまらせる。それは、私が一家のただ一人の生き残りだということだ。私たち家族の記憶を留め、構成に伝える義務を免れることはできない。その義務を怠ることは、ジェノサイドに加担するのと同じことだ」

絨毯のように敷き詰められた頭蓋骨や、頚骨や大腿骨を綺麗に積み上げた山は記憶の中にあるだけだが、生き残りに残された傷跡は、フツ族が人間性に対して犯した犯罪の生きた証拠、肉体に刻み込まれた明白な証拠なのだ

第13章「赦すなんてできない」

著者のみる悪夢と白昼夢について、著者が敬服している養父のリュックの言う赦しについて、そのキリスト教的許しを徹底的に否定する著者の怒りと赦しについて、後悔も良心の呵責もなかったアメリカの連続殺人犯が殺した人間の親に赦された時に涙を流した話と自らの経験を重ね合わせたときの考察、などについて書いてあります。

僕が神様を信じるのは、地獄があってほしいからさ

第14章「カインのフツ族対アベルのツチ族」

聖書の中のカインとアベルの話がルワンダ大虐殺と似ていること、何世紀にもわたり続いたツチ族の王政のためにフツ族が怒りをためていた可能性への考察、聖書の中の神に対する著者の怒り、などについて書いてあります。

世界中の歴史がそうだ。この貪欲という罪は、それに溺れるものを盲目にして殺してしまう

狂気の沙汰だ!そうだよ!この神は狂ってる!やっぱり神なんて、いたらいただけで腹がたつだけだ!

第15章「アウシュビッツへの旅」

ルワンダでの虐殺中に流れていたラジオの内容について、ごく少数だが自らの命をかけてツチ族を助けてくれたフツ族がいたこと、アウシュビッツとルワンダとの虚しい比較、などについて書いてあります。

「殺戮者たちは殺す相手を見分ける必要などない。彼らはお互いのことをよく知っている。村の中では誰もが顔見知りなのだから」

正義がない以上、赦しなんて問題外ですよ~罪を犯した方が自分の罪を認めることが第一歩だよ。そうして初めて人殺しの心にも良心の呵責が生まれるんだ。その一歩は、他人が肩代わりできないものなんだよ。ところが、ご承知のように、ごくまれな例外を除いて、虐殺者たちは自分の行為を認めないまま生活している。極悪非道な残虐行為を押し隠したまま、大赦を与えてくれる『秩序』へ服従することで自分の責任をぼかしているんだ。何にもしていない彼らをどうして赦せるっていうんだ?

第16章「Ibuka(忘れるな)」

ツチ族とフツ族のうわべだけの「平和的共存」に自分のような人間は水をさしているのではという意識と生き残りはひっこんでいろという風潮、生き残りが虐殺時の話を最後までできないということ、ジェノサイド後に生まれた誤解(虐殺よりも遅れて到着したメディアは、反撃したツチ族に追われたフツ族を映し出したため、同情や支援はツチ族ではなくフツ族に行われた)、罪の意識を感じさせずにある民族を皆殺しにする人間をつくりあげる過程、などについて書いてあります。

世界中があいつらに同情したよ。あいつらの方が目についたんだあ。あいつらは家族総出で逃げていたしところが、本当の犠牲者側には何もないんだ

第17章「もう信じてはいない神に言いたいこと」

著者の神に対する苦言、ジェノサイドを生き延びた女性の半数がエイズに感染していると推測されていること、などについて書いてあります。

彼女たちは二度殺された。最初は恐ろしい暴力によって、二度目はじわじわとエイズに苦しみながら

「母は最期まであなたのことを信じていました。それはよくご存知でしょう。母がいくら祈っても、私がいくらお願いしても、全能の神であるはずのあなたは指一本たりとも動かすことなく、母を守ろうともしませんでした。私をその乳とあなたの言葉で育ててくれた母は、喉の渇きに苦しみながら死んでいきましたが、あなたは自分のしもべの苦痛さえ和らげようともせず、干からびた母の唇に清水の一滴も注ごうとはしませんでした。その唇は最後まであなたの名を唱え、あなたを褒め称えていたというのに」

「ルワンダ人はほとんど皆あなたを信じる人ばかりです。子供のような心であなたを称え、初々しい信仰心であなたに祈っています。それなのに主よ、なぜあなたは私たちを見捨てたのですか?」

第18章「ツチ族のキリストの叫び」

引き続き著者による神に対する叫びが書かれています。

「こんな犠牲に値するどんな罪を私たちが犯したというのですか?」

生き残ってしまっという罪の意識を拭い去ることもできない

部屋主の感想

内容紹介を長くしたので感想はできるだけ短くいきたいと思います。というか、内容紹介と抜粋を読んでもらえれば部屋主が何を伝えたかったかはわかってくれたと思います。

部屋主はこの本を読んでる間は始終眉をひそめていました。特に虐殺の最中の描写はすさまじく唇を噛み締めながら読みました。

学生時代、戦争・紛争を研究してきた手前、この手の知識はそれなりにありましたが、ここのところ離れていたので、久しぶりに人はここまで残虐になれるのかということを思い出しました。

そして驚いたのが著者が部屋主とほぼ同い年だということです(書いてある生年月日が本文中と表紙裏で違うのではっきりしないのですが)。部屋主がバカなクソガキ(今でもたいして賢くはないですが)だったころ著者はアフリカで切り裂かれていたわけです。いつも以上に心が痛かったです。

また後半の神に対する著者の叫びは、言葉は悪いですがすっきりしました。よくぞ言ってくれたと思いました。神がもし存在するならば虐殺など起こりえないはずですからね。この著者の叫びも虐殺同様に痛いです。

日本人は、こういうものから目を逸らしがちな気がしますが(特にアフリカは遠いこともあって)、決して目を背けてはいけないと部屋主は思います。実際、イラクをはじめとした場所で規模は小さいもののこういうった事態は起こってるわけですし。

結局、著者は殺戮者を赦せず、神と縁を切り、いまだに悪夢に悩まされ、常に自殺という誘惑にかられているままです(当然といえば当然でしょう)。こういう著者のような人間をこれ以上生み出さないようにしっかり学んで、活かしていかなければいけないと思いました。

なので、この本は色んな人に読んで欲しいと思いました。ところどころ「?」がつきますが、非常に訳が上手で、原文がそうなのか、詩的な感じもして読みやすいですし。

ただ、この本はツチ族である著者が自らの経験を書いたものなので、本文中にほんの少しだけ触れられているように、ツチ族がフツ族を支配してきた歴史があるみたいなので、そちらも勉強しておかねばとバランスが悪いとも思いました。

あと、戦争関連の本としましては「世界で一番いのちの短い国」「戦争の克服」「アマチュアはイラクに入るな」「戦争広告代理店」あたりが面白かったです。

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カルトになれ!顧客を信者にする7つのルール

最近やたらとマインドコントロールという言葉を聞きます。ここを見てくれてる皆様はマインドコントロールされてない自信はありますか?何もマインドコントロールは監禁したり薬物を使ったりではなく、お客様獲得といった場面でも自然に使われていたりします。

先の質問で「自信あります」と答えた方は要注意です。現代社会ではあらゆる場面でマインドコントロールの萌芽が見られますので・・・

カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~ Book カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~

著者:マシュー・W・ラガス,ボリバー・J・ブエノ
販売元:フォレスト出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:E

内容紹介のようなもの

プロローグ「カルトの秘密を探る!」では、カルト宗教の特殊な魅力とブランドの顧客ロイヤリティーの関係について、マズローの欲求段階説(生理的欲求→生存と安全の欲求→所属の欲求→承認の欲求→自己実現の欲求)とカルトブランド、といったことについて書かれています。

第1のルール「人と他人は違っていたい!」では、現代はコミュニケーション中毒社会であること、代理家族を作り出そうということ、デザイン・メッセージ・センスの重要性(他のブランドとの差)、といったことが書かれています。

第2のルール「『大胆さ』と『強い意思』を持て!」では、驚きの重要性、世間の評価を絶えず疑うことの重要性、リスクと諦めないことの重要性、といったことについてかかれて慰安す。

第3のルール「『ライフスタイル』を売れ!」では、顧客に楽しみを与えること、自己実現の領域へ顧客を呼ぶこと、情熱と夢とつなげ自己強化と結びつけライフスタイルを売ること、顧客との接点を増やすこと、といったことについて書かれています。

第4のルール「『伝道師』を生み出せ!」では、異教徒の改宗よりも信者の話に耳を傾け伝道師を作り出すことについて、イベントやワークショップの重要性、といったことについて書かれています。

第5のルール「クラブを生み出せ!」では、群れたがる顧客とクラブの作成、顧客向けの情報配信、ファンの聖地の作成、常連客を定期的に集めることの重要性、といったことについて書かれています。

第6のルール「顧客を選ぶな!」では、ターゲットは幅広くすること、未完の完成品を売ること、といったことについて書かれています。

第7のルール「ノスタルジアを売れ!ライバルからパワーを引き出せ!」では、古き良き時代の自由を演出すること、思い出と記憶に訴えかけること、一貫性の重要性、敵を作り競争心を煽ること、といったことについて書かれています。

部屋主の感想

なんというか・・・目次に全てがつまっています。つまり内容があまりないのです。

カルト的なブランドを作り出せば売れるなんてことは、経済や経営の素人である部屋主で思いつきます。というか、一応宗教を研究してきた部屋主としてはなんとかカルトを作り出してウハウハな生活を・・・なんて常々考えていましたよ。

一つ一つの内容についても、こうすればいいという部屋主でも書ける抽象論に終始しているのもマイナスポイントです(もちろん理解はできるし、感覚的にはそうだろうと思うのですがね)。

また、アップルコンピュータやハーレーダビットソンといったアメリカのカルト的人気企業が例として多々登場しますが、成功例ばかりでその影にあると思われる失敗例については全く触れてないあたりうさん臭さも満点です。

でもって、リスクがあってもいいかたあきらめずにやってみろ的な部分などは、何度もやり直しがきくアメリカ社会ならではのもので、必ずしも日本社会には向かず、かなりキツいものがあるかとも思います。

けれど、普段マインドコントロールとかに無頓着な方に、商売の場面でもこういう方法でマインドコントロールが行われているということを意識するための契機となるかと思いますので、是非とも目次だけでも(笑)目を通してみてはいかがでしょうか。

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図解雑学 般若心経

先日トラックバックをいただいた「あれこれ随想記」を見てきました。お坊さんであるぜんさんがブログ主ということで仏教関連のお話も豊富で面白かったです。

部屋主は特定の宗教に帰依してるというわけではないですが、家としては真言宗に属しています(たぶん)。子供のころ兄貴的な従兄弟が亡くなった時になんとなく憶えた般若心経ですが、大人になって意味が無性に気になっていました。なのでたまたま目についたこの本を購入することになりました。

この図解雑学シリーズは、内容は濃くないですが、図や絵がたっぷりでわかりやすいので、何かを勉強したいときに入門書としてちょくちょくお世話になってます。

図解雑学 般若心経 Book 図解雑学 般若心経

著者:頼富 本宏,那須 真裕美,今井 浄円
販売元:ナツメ社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:B

部屋主の感想

般若心経というタイトルですが、その解説だけにとどまらず、般若心経周辺の仏教の基礎的な知識についても解説してあります。それにしても般若心経の言葉の一つ一つにこんな意味があったんですね。恥ずかしながら驚きです。

例えば「般若」ですが、なんで般若?なんだろうとずっと思ってました。部屋主の知識の中では「鬼女の面」というイメージだったからです。でもこの場合は「すぐれた知恵」「十分な知恵」という意味で、転じて「さとりに代表される真実を全体的に理解するための知恵」を指すということでした。長年の疑問が解けホッと一息つけました。

仏教の思想はさほど勉強したわけではないですが、けっこう好きです。特に「」という発想はいいですね。煩悩や嫉妬の塊である部屋主にはいつになったその境地に達することができるのやらですが。まぁある種ニヒリズム(虚無主義)的な考え方もしているという点においては空に近くないこともないですが、それは空とは違うだろうという案を部屋主は採用します。

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