犯人に告ぐ 上下

週間文春「’04ミステリベストテン」第1位、週間現代「’04最高に面白い本」第1位、大藪春彦賞受賞、先日文庫版が発売され、2007年10月から「豊川悦司」主演で全国ロードショーがはじまる作品、「犯人に告ぐ」のレビューです。

提携している「A8.net」さんからの依頼で読みました。

E78aafe4babae4b88ae5b8af28129犯人に告ぐ」←公式HPへ

タイトル:犯人に告ぐ

著者:雫井脩介

犯人に告ぐ」←アマゾンへ

上の部屋主の独断ランク:C

下の部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

TVにも度々登場する大手ディスカウントショップ社長の孫の誘拐事件が発生します。

捜査に当たるは前年45歳にして警視に昇進し神奈川県警捜査一課特殊犯係の管理官となった「巻島史彦」。

様々な足枷がある中で必死で犯人を追う巻島ですが、事件は最悪の結末を迎えてしまうのです。

その後、巻島は事件の記者会見でさらなる大失態を演じ、その責任をとる形で左遷させられてしまいます。

この事件から6年。

川崎市で連続児童殺害事件が発生します。

闇に身を潜め殺人を続ける犯人に対し為す術もなく行き詰った神奈川県警は、現状打破のために起死回生の一手に打って出ます。

劇場型犯罪には劇場型捜査

現役捜査官をテレビニュースに出演させるという前代未聞の荒業に踏み切ったのです。

担当捜査官として白羽の矢が当たったのは、腐ってしまわずに左遷先の犯人検挙率を県内最高に高めていた、あの巻島だったのです・・・

部屋主の感想

まずますですかね。

上記のようにいくつも賞をとっているということでかなり期待していたのですが、そこまで面白いかと問われるとそこまでではない気がします。

もちろんそれなりに面白いのですが。

とりあえず、最初の誘拐事件が長すぎます。ここで書いたような感じのあらすじを背表紙で先に読まずに読めばまた違ったのかも知れませんが。

話の先を知っていても楽しく読める作品はありますが(だからこそ面白いという場合もあるけれど)、この作品に関しては部屋主はそうは思えませんでした。

第一の事件から劇場型捜査へ移行するまでも妙に長く感じました。たぶん巻島の上司のキャリア「植草」とニュースキャスター「未央子」のくだりがいまいちだったのだと思います(結局こいつらどないやねんというのと、未央子の変わりようがこの作品の中で浮いてる感じがしました)。

なので、面白くなってくるのは上の終盤からです。

なんのかんので、読みやすいのでそこまで到達するのにさほど時間がかからないのが救いです。

劇場型捜査に入ってからはなかなかに面白く、ラストまで一気に読めてしまいました。

ただまぁ部屋主好みのトリックがどうこうとか、どんでん返しのあるという作品ではないので、あの展開はどうにも好みじゃないといえば好みじゃないです。

とはいえ、ラストのあの家族と巻島とのやりとりは好きです。背負う。なんと大事なことでしょうか。ホロリときます。

でもって、帯や下の背表紙のあらすじのところで「圧巻」と取り上げられているクライマックスは確かにいいです。

我々はようやくお前を追い詰めた」 「今夜は震えて眠れ」は実にカッコいいです。

ここをどう豊川悦司が演じてるのか、非常に気になるところですね。部屋主はあまり映画館に行かない人間なのですが(DVDもしくは地上波放送待ちなので)、このシーンだけは劇場の大きなスクリーンで見たいと思いました。

というか、映像をつかった劇場型捜査なので、小説という媒体よりも、映画というメディアの方がこの物語は映えそうな気がします。

あとは、「津田」さんが実にいい人でですね。彼ととある事件の犯人との出会いによって改心(?)する巻島の場面は好きです。

人物としては「曾根」本部長についても触れておかねばですね。こいつかなりムカつきます。

同じように警察という組織もイラつきます。

そういう意味でも考えさせてくれる作品かとも思います。

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