清州会議 三谷幸喜著

会社の後輩(読書はほとんどしない)が面白かったと言っていたのと、近々映画化するということで購入してみた。

最近歴史系はあんまりよんでなかったしね。

三谷幸喜作品の映画は好きだったりするが、小説は今回が初読だったりする。

部屋主の独断ランクB

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

信長亡き後、清州城を舞台に、歴史を動かす心理戦が始まった。

猪突猛進な柴田勝家、用意周到な羽柴秀吉。

情と利の間で揺れる丹羽長秀、池田恒興ら武将たち。

愛憎を抱え陰でじっと見守る、お市、寧、松姫ら女たち。

キャスティング・ボードを握るのは誰なのか?

五日間の攻防を「現代語訳」で綴る、笑いとドラマに満ちた傑作時代小説。

読書感想

面白かった。

本能寺の変時の信長のモノローグからはじまるわけだけど、その軽妙な語りから見事に物語の世界に引き込まれた。

その後も基本的に笑いありで、間にちょこちょことシリアスを挟むという感じで、小説でも映画と同じような印象を受けた。

これはすごいと思う。

登場人物のキャラの立ち方もいいね。

それぞれもともとそういう人間として色々な小説などで描写されてることが多いけど、うま~くそれぞれを脚色して、ピシっと物語として筋をつけてるあたりもさすが。

性格にはかなりの一長一短があるのに、ほぼ全部の登場人物に好感が持てるってのもすごいと思う(お市がちょっとやりすぎ感があってイヤ)。

部屋主としては秀吉と信包のやりとりがけっこう好きかな。

あとラストの秀吉と勝家の酒を飲むところとか。

もう少し熱さがあればA評価だったんだけどなぁと。

万人受けする作品かと。

なんによせ映画も見たくなった。

抜粋

「安心は人を愚かにし、不安は人を賢くする」

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のぼうの城 和田竜著

4年くらい前にもらって積んであったのを今更だけど読了。

きっかけは会社の同僚にすすめられたから。

オノ・ナツメさんの表紙が素敵ですね。

部屋主の独断ランク:A

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

時は乱世。

天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。

武州・忍城。

周囲を湖で囲まれ「浮城」と呼ばれていた。

総大将・成田長親は領民から「のぼう様」と呼ばれ泰然としている男。

智も仁も勇もないが、しかし、誰にも及ばぬ「人気」があった―

「この城、敵に回したが間違いか」

読書感想

いや~面白かったです。

「誰が読んでも間違いなく楽しめる」と帯にありましたが、確かに万人受けするタイプの作品だと思います(特に男の子に是非読んでほしい作品)。

二万vs二千という状況、魅力的な味方武将(全員いい性格してます)、男前な敵(他人にも強く美意識を求める三成がしぶすぎる)、笑いあり感動ありと。

ところどころ入る史実の考察でリアリティが増すのも〇。

無難にオススメもできる作品。

よかった。

何気にマンガ版も出てます。

絵を担当してるのはなんと「美味しんぼ」の方だったりします。

実は買ってしまいました。

のぼう様のデザインがいまいちしっくりこなかったけれど、ここはよかったという場面とセリフは全て描かれていたのはうれしかったです。

映画版。

こっちも何気に欲しくなってたりします。

抜粋

「強者の侮辱にへつらい顏で臨むなら、その者はすでに男ではない。

 強者の侮辱と不当な要求に強固、否を叫ぶ者を勇者と呼ぶのなら、

 紛れもなくこの男は、満座の中でただ一人の勇者であった」

「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す

 これが人の世か

 ならばわしはいやじゃ

 わしだけはいやじゃ

 それが世の習いと申すなら、このわしが許さん」

権力を持った嫌なやつにガチコン言うのぼう様が素敵。

ここはかなりドキドキしながら読みました。

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海賊とよばれた男 下 百田尚樹著

引き続き下巻の読書感想です。

部屋主の独断ランク:A

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

敗戦後、日本の石油エネルギーを牛耳ったのは、巨大国際石油資本「メジャー」たちだった。

日系石油会社はつぎつぎとメジャーに蹂躙される。

一方、世界一の埋蔵量を誇る油田メジャーのひとつアングロ・イラニアン社に支配されていたイランは、国有化宣言をしたため国際的に孤立、経済封鎖で追い詰められる。

1953年春、極秘裏に一隻の日本のタンカーが神戸港を出港し―。

「日章丸事件」に材ををとった、圧倒的感動の歴史経済小説、ここに完結。

感想

前半以上に面白かったです。

主人公の超人っぷり、著者の泣かそう泣かそうとしてる感じや(きっと映画化するでしょう)、やたら優秀でカッコいい人物ばかりが主人公の陣営に多いとか、なんか妙にリアリティを削ぎますが、それでも勇気をもらえたし、感動してしまったしで。

なんかくやしいです。

ということで秋編の感想。

「七人の魔女」や日本の他石油業者の妨害にやられながらも、起死回生かつ命懸けの作を秘密裏に…二転三転する状況に必死で対応する主人公たち…という感じの展開。

正直、めちゃめちゃ面白かったです。

これが実話というから驚きです。

「皆が恐れるからこそ行くのではないか」

「リスクのない商売はない」

「拿捕されれば倒産することになるが日本人が信義を果たす国民であることを国民は知るである

 そしてこのことは必ず両国の今後の友好関係にとって大きな力となる」

という思想で挑む姿が非常に熱かったです。

「海図があればどこへでも行きますよ。陸地でないかぎりは」

という船長についニヤニヤしてしまい、タンカーが出港するときの弓の話や到着場面の描写などではついウルウル、帰ってきた時の船長と奥さんのやりとりで笑ってしまいましたし。

とりあえずどれくらいが事実だったのかを調べてみようと思います。

冬編は多くの別れが多くじんわり泣けます。

まずは日章丸との別れ。

「お前がいたからこそ国岡商店は戦うことができた

 お前は国岡の刀であるとともにぼくの息子だった

 お前のことは永久に忘れない

 日章丸よ―ありがとう」

それ以上にツボにはまったのは日田との別れ(特に一番最初の散歩のくだり)と、最初の妻の大甥からの手紙。

この二つの場面にはやられました。

最後に、作中、主人公とその片腕が、子供たちを見ながら21世紀に想いを馳せる場面があります。

「見たか あの子たちの目を 瞳が輝いておる

 あの子たちは二十一世紀の日本を支えていく子供たちだ」

「どんな国になっているでしょうか?」

「日本人が誇りと自信を持っているかぎり

 今以上に素晴らしい国になっておる」

21世紀を生きる身として、なんか色々恥ずかしくなりました。

もう少し生き方を考え直さねばと思った次第です。

とりあえず出光佐三関連の本を読んでみます。

まず「マルクスが日本に生まれていたら」あたりから。

抜粋

「たとえ九十九人の馬鹿がいても

 正義を貫く男がひとりいれば

 けっして間違った世の中にはならない

 そういう男がひとりでもいなくなったときこそ日本は終わる」

「ぼくは今度の石油危機は日本国民にとっては

 天の下された試練と言えるのではないかと思っている

 国民は享楽に慣れきって節約を忘れてしまった

 そこで天がモノを大切にせよと反省の機会をあたえたのではないか」

「私は、人間を信頼するという考え方を広めていくことこそ、

 日本人の世界的使命と言っています」

「『人間尊重』の精神は、

 世代から世代へと受け継がれていくだろう

 そして自分が生きた証はそこにある―

 たとえいつの日か

 日本に再び国難が襲ったとしても

 日本民族なら必ず立ち直ることができる」

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海賊とよばれた男 上 百田尚樹著

会社の後輩が読んでみたいと言ってたのと、本屋でたまたまサイン本だったので購入。

部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

「ならん!ひとりの馘首もならん」

敗戦の夏、異端の石油王「国岡商店」を率いる国岡鐡造は、なにもかも失い、残ったのは借金のみ。

そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。

しかし国岡商店は社員ひとりたりとも馘首せず、旧海軍の残油集めなどで糊口をしのぎながら、たくましく再生していく。

20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。

その石油を武器に変えて世界と戦った男とはいったい何者か―

実在の人物モデルにした本格歴史経済小説、前編。

感想

面白かったです。

全然興味のない分野だったので色々勉強になりました。

まずは戦後の焼け野原から始まる夏編。

金も仕事もないのに社員の首を切らずGHQや役人、他石油業者を敵に回して戦う姿はカッコいいの一言。

「プリーズと言うな」「無実の罪だから抗議するのは当然である」のくだりとかは爽快、かつての敵のスタンバック社との友情(?)場面にはやられました。

で、ようやく一息つけたと思ったところで「七人の魔女と呼ばれる怪物」たちとの戦いを思わせぶりにしておいて春編(過去編)に行くというなかなかに巧い構成と。

ここでも泣かせる(泣かせようとする)シーンがいっぱい。

まずは主人公の恩人「日田重太郎」とのやりとり。

「六千円は君の志にあげるんや

 そやから返す必要はない 

 当然、利子なども不要

 事業報告なんかも無用

 ただし条件が三つある

 家族で仲良く暮らすこと

 そして自分の初志を貫くこと

 ほんで、このことは誰にも言わんこと」

ちなみに6000円は今でいうところの6000万~7000万円相当らしい。

渋すぎる。

でも個人的にはこの後、日田とその奥さんとのやりとりがツボだったりする。

主人公が成功するころには、

「そのときはわしはもうこの世にはおらんかもしれん」

という日田に対し、

「それでもいいではありませんか」

という奥さん。

これはやられました。

その次は上記のスタンバック社と満州鉄道やら上海やらでの戦いは手に汗握りました。

手に汗を握ってるうちに「七人の魔女」とかすっかり忘れてしまってしまう感じです。

次巻にも期待。

モデルは出光の創業者である出光佐三とのこと。

出光の名前は知ってても、こんな生涯を送っていたとは。

不勉強が身に沁みます。

ちなみに、同著者の作品である「永遠のゼロ」の主人公「宮部久蔵」と思われる人物がワンシーンだけ登場します(笑)

抜粋

「それでは自分で考える力が付かんたい

 自分で工夫して答えば見つけることが大切たい

 それでこそきっちりとした人間になるち思う」

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楊令伝 6 徂征の章 北方謙三著

小説の読書感想がちょっとずつ増えてきました。

ってことで毎月の恒例行事です。

楊令伝 6 徂征の章 (集英社文庫) Book 楊令伝 6 徂征の章 (集英社文庫)

著者:北方 謙三
販売元:集英社
発売日:2011/11/18
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

南北の内乱が終結し、呉用は江南から救出された。

金国で阿骨打亡き後に呉乞買が即位し、国の体制を整えつつある。

梁山泊は、制圧した地域を守りながら、来るべき宋禁軍との全面対決に向けて戦力を蓄えていた。

侯真は黒騎兵を抜けて新たな任務に就く。

一方、扈三娘は息子達が消えたという報せを受けて洞宮山へ駆けつけるが、聞煥章の劣情渦巻く奸計に陥ってしまう。

感想

まずまずですかね。

これまで通り面白くないことはないというか、むしろ面白いのですが、前作「水滸伝」と比較するとどうしても熱さがまだ少ないんですよね。

悩む呉用とか王進と彼の邂逅とか、好きな場面自体はそこそこあるのですが、まだそこまで…って感じです。

あと、あの人物のあっさりすぎる退場とかもなんか凹みます(なんか嘘っぽい感じもしないでもない)。

とりあえず戦争準備がほぼ整った感はあるので、次巻当たりから開戦となるのかな。

うん、早く続きが読みたいです。

抜粋

羨ましいと言ったがそうじゃねぇな

 そういうやつがいてくれる俺が人に羨ましがられる

こういうのはじんわりくるんですよね。

実戦より楽な調練などなんの意味もない

うん。

「想定を重ねれば重ねるほど

 想定外のことが起きる回数は減る」

 うん。

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楊令伝 5 猩紅の章 北方謙三著

毎月恒例の読書感想です。

楊令伝 5 猩紅の章 (集英社文庫) Book 楊令伝 5 猩紅の章 (集英社文庫)

著者:北方 謙三
販売元:集英社
発売日:2011/10/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

推戴した帝が暗殺され、聞煥章の燕建国の野望は半ばにして潰えた。

燕軍は瓦解し、北の戦線は終息する。

梁山泊軍は、楊令の作戦によって河水沿いの地域を一気に制圧した。

一方、江南では宋軍による方臘信徒の殺戮が凄惨を極めている。

しかし度人の声はなおやまず、呉用は決死の覚悟で勝利のための秘策を練る。

方臘自らが前線に立ち、ついに童貫軍との最後の決戦が始まった。

感想

まずまずですかね。

面白いことは面白いですが、水滸伝と比較すると熱さが足りないんですよね、いつも書いてますが。

まぁ方臘軍vs童貫軍の決着はそれなりに熱かったですが。

特に石宝のくだりはヒットしましたね。

こちらこそ、英傑に首を打っていただける

これぞ北方節!…と思う。

で、呉用。

お気に入りの人物ゆえ、彼がどうなるかは常にひやひやしてました(苦笑)

毎度のこながら早く続きが読みたいですね。

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永遠の0 百田尚樹著

いつもコメントをくれる「nori」さんのオススメということで購入してみました。

R-40本屋さん大賞文庫部門1位、2009年最高に面白い本大賞1位という作品だと帯に書いてありました。

ということで読書感想です。

永遠の0 (講談社文庫) Book 永遠の0 (講談社文庫)

著者:百田 尚樹
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

「娘に会うまで死ねない、妻との約束を守るために」

そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。

終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。

天才だが臆病者。

想像の違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる。

記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。

感想

まずまずでした。

読みながらまず感じたのが浅田次郎さんの名作「壬生義士伝」(独断ランクはS)。

幕末と太平洋戦争、刀と零戦という違いはあるものの、構図はほぼ同じじゃねという印象。

内容に関しては、泣けるツボを押さえているし、戦争時のことは実によく調べてあるとは思うものの、物語的には特にヒネりはないかなと。

なぜの部分に関しても納得いかずでしたし(気持ちは理解できなくもないのですが…)。

また主人公やその姉の戦争に対する知識の少なさ。

いくらなんでもそれはないでしょうと。

物語の展開上、無知さが必要なのかもですが、ちゃんと学のある人たちという設定だと思うのだけど…

と、新聞記者のアイツ。

思想は凝り固まりすぎだし、取材のやり方は最低。

いくらなんでも悪キャラすぎでしょう。

先に展開がありすぎ感が。

とはいえ、太平洋戦争についてというか、空戦についてはしっかり描かれているので(色んな知らないエピソードが面白かったり勉強になったりでした)、太平洋戦争に関しての入門書にはわるくないかなと思います(そういう意味で評価を高くしています)。

ただ、かなり部分的ではあるゆえこれを第二次世界大戦の全体だと思うのはいかんと思うのです(小説ではこのあたりが限界かと思いますゆえ、以降は評価とはまた別に書いておきたいと思ったので)。

他の悲惨な戦場については名前は出てくるのもほとんど触れられてなかったり、特になぜ日本は戦争に向かったの部分が欠落しているので(ほぼ軍上層部の批判のみ。それと現在の日本を対比させてるのはいいなと)、別の本で勉強することをオススメします。

まぁそんなわけで、百田尚樹さん別の作品も読みたいところですねと。

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楊令伝 4 雷霆の章 北方謙三著

毎月恒例になった楊令伝の読書感想です。

楊令伝 4 雷霆の章 (集英社文庫) Book 楊令伝 4 雷霆の章 (集英社文庫)

著者:北方 謙三
販売元:集英社
発売日:2011/09/16
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:C

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

楊令を頭領に迎えた梁山泊は新たな寨に替天旗を掲げ、兵力を結集させていく。

禁軍の超安は、金国との海上の盟により燕京攻略に向けて北進し、耶律大石ら燕国建国の夢を賭けた旧遼軍と対峙した。

一方、方臘は、精強な軍と信徒の圧倒的な数の力で江南を席巻する。

南下した童貫が、ついに叛乱鎮圧に動き始めた。

信徒の熱狂渦巻く中、呉用は方臘の軍師として、童貫軍を迎え撃つ。

感想

うーん、なんといえばいいのか。

面白いといえば面白いのです。

色んな局面で展開される戦、絡み合うそれぞれの思惑。

変化していく状況と多くの人物たちの心といった具合に。

ただ、まだ熱さが足りないというか。

そして部屋主の知ってる北方小説(水滸伝と三国志)では、それが重要なポイントなので。

まぁまだ4巻目ですゆえ、これからかなと。

なんにせよこの巻ではあの方の死が…

好きなキャラだったゆえ残念です。

あとこの巻はあなだのくだりが好きだったりです。

「強そうなあだ名を持つ弱い男より

 恰好の悪い名で、本当は強い、

 というのがいいような気がする」

うん、たしかに(笑い)

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楊令伝 3 盤紆の章 北方謙三著

毎月の発売日が待ち遠しい1冊です。

にしてもブログラムのランキングからいつのまにか北方謙三が消えてしまってたとゆえ、これで復帰してくれればよいのだが。

楊令伝 3 盤紆の章 (集英社文庫 き 3-69) Book 楊令伝 3 盤紆の章 (集英社文庫 き 3-69)

著者:北方 謙三
販売元:集英社
発売日:2011/08/19
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

楊令は、幻王として金軍を率いながら、梁山泊の重装備部隊と連携し、遼に進攻した。

呉用が潜入する江南では方臘の叛乱が拡大し、宋地方軍に大きな痛手を与えている。

一方で聞煥章は、帝の悲願の地である燕雲十六州に、ある野望を抱いていた。

ついに宋禁軍に出動の勅命が下り、童貫は岳飛を伴い江南へと出陣する。

宋、遼、金国、方臘と入り乱れての戦いの火蓋が切られた。

感想

うん、いつも通り面白いです。

かなり色んな局面で話が進んでおり(聞煥章の動きが気になります)、ちょっと面倒臭いと感じる部分もあるのですが、それが徐々に重なっていく様は楽しくて面白いです。

が、水滸伝と比較すると熱さがまだまだ足りないと。

あと、楊令の言動がいまいち好きになれないのも、乗り切れない原因かもですね。

とか言いつつも、楊令の王母様訪問時の薬草エピソードや、「替天行道」の旗が掲げられた時は「うおー!きたー!」と思ってしまったわけですが。

抜粋

「きちんと生きるということはどういうことでしょうか?」

「自分に、恥じないことだ

 人を裏切らない

 卑怯なことはしない

 うまくおまえに説明できるほど

 俺は多くの言葉をもっていないが」

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楊令伝 2 北方謙三著

待ちに待ってた水滸伝の続編、第2巻です。

楊令伝 2 辺烽の章 (集英社文庫 き 3-68) Book 楊令伝 2 辺烽の章 (集英社文庫 き 3-68)

著者:北方 謙三
販売元:集英社
発売日:2011/07/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:C

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

北の地で苛烈な戦をしていた幻王の正体は、楊令だった。

燕青と武松は梁山泊軍への合流を求めるが、楊令は肯んじない。

一方、呉用は、江南で反乱を目論む方蠟のもとへ趙仁と名乗って潜入していた。

梁山泊軍との決着を待ち望む童貫は、岳飛という少年に目をかける。

呉用と楊令は会合を持ち、今後の戦略について話し合う。

国を揺るがす動乱が、北と南で始まろうとしていた。

感想

基本的な感想は1巻と同じですね。

かつての登場人物が続々と集結したり、死んだ人たちの血縁が集まってきたりで、梁山泊がかつてとは別の形で成立していく過程が面白いです。

とはいえ楊令が微妙にイメージと違ってて、なんかちょっと乗り切れてない感があったりも。

なんか人物としてもブレてる感じがするんですよね。

その割には武松の件とか(ちょっとやりすぎ感も)、後半はけっこう普通に他の人物に接したりってのがイメージに近いのですが、前半とのギャップが…

あとは呉用ですかね。

個人的には好きな人物なので、他の人から嫌われすぎなのが可哀想でならんのです、必要不可欠な人材なのに。

熱い場面はまださほどでもない感じですし、やはりまだまだ今後に期待って感じですね。

でもって相変わらずの王進様。いい加減飽きてきた…気がしないでもなかったり。

抜粋

「そうしたものが自分の口から言ったりはするまい。

 いや、気づきもせぬ。

 汚れても汚れきれなかった。

 それがお前だ」

ここの楊令と燕青のやりとりは好きです。

「心が残った。

 この少年と、もう少し喋りたい、と思った。

 人との出会いと別れは、心が残る程度がいい。

 そう思い切った」

この童貫の心を現した一文が好きです。

「そうやって思い出してくれる弟がいて、

 お前の兄貴は幸せだ」

「違うな。

 思い出してしまう人間を持った俺たちが幸せなんだ」

あぁ、確かにと言われて気付きました。

ここ、ものすごく気に入りました。

「勇敢かどうかは問題じゃねえ。

 きちんと生きて、きちんと死んだかだ。

 死ぬ時に勇敢になることなんざ、

 きちんと生きることに較べたら簡単なことよ」

うん、確かに。

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