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グラン・ヴァカンス 廃園の天使1 飛浩隆著

知人にキモかったりグロかったりする小説を紹介してってことで言ってみたら教えてくれた作品です。

「SFが読みたい!2010年版が選ぶゼロ年代ベストSF2位作品」とのことらしいです。

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) Book グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

著者:飛 浩隆
販売元:早川書房
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部屋主の独断ランク:A

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

仮想リゾート<数値海岸>の一区画<夏の区界>。

南欧の港町を模したそこでは、ゲストである人間の訪問が途絶えてから1000年、取り残されたAIたちが永遠に続く夏を過ごしていた。

だが、それは突如として終焉の時を迎える。

謎の存在<蜘蛛>の大群が、街の全てを無効化しはじめたのだ。

わずかに生き残ったAIたちの、絶望に満ちた一夜の攻防戦が幕を開ける・・・

感想

面白かったです。

序盤はキモさもグロさもまったくなく、むしろ妙にきれいな綺麗な描写や世界観の説明で、かなり退屈でした。

が、中盤に入り蜘蛛の大群が攻めてきてからは、うってかわって非常に面白くなりました。

蜘蛛やその統率者である人物のえげつない殺害方法は言うに及ばず(特に人間団子)、前半に美しく描かれたからこそさらに暗い影を落とす<夏の区画>の秘めたる闇の部分(特に檻の中で刺繍の図案を描く女)などは、実に秀逸なキモち悪さでした。

もちろんグロい描写だけでなく物語としてもよかったです。

世界の設定、蜘蛛の主の目的、天使、老人の正体、主人公についてなどなど、それらが絶妙に絡まり合ってともて面白く仕上がっています。

まだ色々と謎が残ってるゆえ、続編が楽しみです。

好きな台詞

「決めろ。

 『しかたがない』ことなど、なにひとつない。

 選べばいい。選び取ればいい。

 だれもがそうしているんだ。

 ひとりの例外もなく、いつも、ただ自分ひとりで、決めている。

 分岐を選んでいる。

 他の可能性を切り捨てている。

 泣きべそかきながらな」

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