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殺人勤務医 大石圭

読みました。

Book 殺人勤務医 (角川ホラー文庫)

著者:大石 圭
販売元:角川書店
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部屋主の独断ランク:A

あらすじらしきもの

中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。しかし、彼の価値観は、母親から幼いころに受けた虐待によって、大きく歪んでいた。

食べ物を大切にしなかった女、鯉の泳ぐ池に洗剤を撒いた男。

彼は、自分が死に値すると判断した人間を地下室で檻に閉じ込め、残忍な手段で次々と殺していく。

感想

気に入りました。

ホラー作品ですが、深読みするとなかかなに奥が深い作品のように思います。

今、この地球に生きる60億の人たちの6割が明日の食べ物を心配している・・・6000万もの人々が、主に栄養失調を原因とした疾病のために死にかかっている・・・そういうことを、たったの1度でも考えたことがありますか?

と聞きながら、食べ残しをした女性を殺す主人公。

男が人間を殺したのだったら、それはどうでもいい。人間は人間の法律に守られているのだから、僕の知ったことではない。だが、池のコイを殺すのは許せなかった。そういう弱くて、何の抵抗力も持たず、何の法律にも守られていないもの当たるというのは―人間を殺すより遥かに悪いことのような気がした。弱い者が、自分よりさらに弱い者を虐げるというのは、なぜだが、とても罪なことのように感じられた

といってコイを殺した男を殺す主人公。

他にも子どもを虐待した親なんかも殺されます。

正直なところとても気持ちがいいです。

常々こんなヤツラは死んでしまえと思ってるからでしょう。

また、「1997年の記録によれば、日本では年間33万8000人が人工中絶手術を受けている。ちなみにその年に生まれた赤ん坊は119万人だった」だそうだ。

部屋主は中絶はよほどの理由がないかぎり(レイプや母体に危険がある場合など。重度の障害の場合については保留です)、殺人と同義だと思っています。

中絶は経済的理由という母体保護法の条件を拡大解釈で医師と患者の合意のもとでおこなわれています。

こういうホラー作品に出てくる殺人鬼と堕胎する女性、堕胎させる男性とにいったいどういう差があるのでしょうか。

正直、部屋主にはわからないです。

罪を罪と認識して罪を犯す殺人犯と、罪を罪として認識せずに堕胎する普通の人々。

さらにそう考えながらも堕胎を認め、胎児を見殺しにしている部屋主のような人間。

いったい誰がどれだけ罪深いのでしょうか。

堕胎は今のところ法律的には罪ではありません。なのでこう思う部屋主がおかしいのでしょうか。皆様はどう思いますか?

抜粋

・・・母親の胎内で育っているのは生きた人間なのです。法律がどうあろうと、間違いなく人間なのです。あなたは、その人間の生命を破壊しているのです。それを殺人と呼ばず、何と呼ぶのでしょう?・・・あなたは母親に抱かれた1歳の女の子を殺しますか?通学する15歳の少女を殺しますか?同僚の30歳の男の人を殺しますか?もちろん、そんなことはしませんよね?だったらなぜ、妊娠3ケ月の小さくて弱い命を殺すのですか?・・・

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コメント

私は女性や母の立場からの意見になりますが、
やはりシンさん同様、特別な理由がない中絶は
納得ができません。でも、簡単に中絶しちゃう
女性っているみたいですね。
ただ、ウチにも障害児がいるから、
重度障害の場合は中絶を反対できないと思います。
人権主張はわかるけど、産んでも大変だもの。
難しい問題ですね。

その一方で、殺人を犯すこの本の主人公ってのも
不思議な話です。結局は、どんな理由も
ただの詭弁でしかないってことでしょうかね(^_^;

投稿: あくびネコ | 2008年9月29日 (月) 11時34分

>あくびネコさん
特殊な例があることは認めます。
ただそれにしては数が多すぎると。

障害児に関しての考えは上記のようにまだ保留です。
これを例外とするかしないか。
以前に別のところで書いたのですが、
私は障害児を人間の別の可能性と考えております。
今の社会では適応できてないだけの。
それをどう考えるかは実に難しく、
今の私ではどうにもこうにもです。
ただ、例えば無脳症児などはどうするのかとなると
例外的に当てはめるのか、
それは命の選別をするということで同じではないのかと
どうしても思ってしまうのです…
ううむです。

この作品の主人公の思考は面白いですよね。
矛盾してるようで矛盾してませんから。

投稿: シン@部屋主 | 2008年9月29日 (月) 20時17分

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