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べっぴんぢごく 岩井志麻子

読みました。

べっぴんぢごく (新潮文庫 い 77-4) Book べっぴんぢごく (新潮文庫 い 77-4)

著者:岩井 志麻子
販売元:新潮社
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部屋主の独断ランク:B

あらすじらしきもの

死霊が彷徨い、腐臭漂う岡山の寒村。

村で一番の分限者の家に生まれながら牛蛙と綽名されるほど醜いふみ枝は、母シヲの淫蕩な美しさを憎悪する。

しかしふみ枝の娘は、シヲに生き写しの、禍々しいまでの美貌を備えていた。

美女と醜女が一代交替で生まれるのは、禁忌を犯した罰か、土俗の死霊の祟りなのか―。

呪われた家系を生きた六代の女たち、愛欲と怨念にまみれた、百年の因果の物語。

感想

岩井氏の作品は久々ですが、やはりいいですね。

読みながら嫌悪感がわいてくるというかなんというか。

これでもかというくらい人間の・・・というか女性の業のようのものが描かれているのですが、それがもう気持ち悪くて(そういう女性に引き寄せられる男の業も)。

見たくないものを見せられるという感じでしょうか。

気持ち悪い男の話はいくらでも大丈夫なのですが、女性の、特に性の話題になるとどうにも部屋主は見たくないというのが働くみたいです。

それを文学的な文章(妙に好きなんです、岩井氏の文章)や物語の展開や構成が増幅させるというか。

シヲという女性の百年を超える人生を描きながらというのが、非常に巧いなと感じました。

読みたくないけど読まずにはいられれない。そんな作品。

抜粋

「本能でシヲにはわかっていた。果報にこそ、警戒しなければならないことを。果報は好きな男と、同じだと」

「可愛いものは、憎らしい。可愛いものは、おぞましい。恐ろしいものは・・・懐かしい」

「きっと今の自分には、酷薄な匂いがまつわっているだろう。鏡台の朱色の鏡を覗き込めば、きっと悪い女の顔が映っているだろう。そんな女は、きっと美しいはずだ。顔立ちはさておき、薄情に微笑む悪い女はきっときっと、人を魅了する暗い輝きがあるはずだ」

「いんにゃ。惚れた女も、殺せる。惚れたからこそ、殺せる」

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コメント

シンさん、お久しぶりです。ちいこです。
岩井志摩子の作品、良いですよね~。
女のどす黒い部分を、ああも上手く文章に出来るなんて…。憧れます。
特に岡山と言う土地柄がそうさせているのか、文章からじと~っとした辛気臭さが立ち上ってくるようです。
とは言っても、岡山に関する事って、桃太郎と尾道(そうでしたっけ?)と岡山殺傷事件の事位しか知らないですが。
「ぼっけえきょうてえ」を読んで以来、岩井志摩子ファンです。
今日は冷たい雨が降っていて、私が初めて「ぼっけえきょうてえ」と出会った頃と同じ季節になっています。月日が流れるのがなんと早い事。
女の業を書く作家の本に、まさに女の業が引き寄せられたのか。
岩井志摩子、読む度に切ない思い出も蘇ってきます。

投稿: ちいこ | 2008年9月29日 (月) 14時12分

>ちいこさん
お久しぶりです。
ちいこさんも岩井さん好きでしたか。
私も好きなんですよね。
ただ切なさはあんまり感じないのですよ。
このへんは男女差なのか、
私とちいこさんの感性の違いかはわかりませんが。

と、私も岡山に関しては
さっぱり知識はありませんが。

投稿: シン@部屋主 | 2008年9月29日 (月) 20時22分

シンさん、私も岩井志摩子の作品には切なさは感じませんよ。
ただ、岩井志摩子の本に出会った時の切ない思い出が蘇るだけです。
曲を聴いてその時代が思い出される様に、岩井志摩子と聞くと、その時の思い出が蘇るのです。
どうやら彼女は、私の女の業を目覚めさせたようなのです。

投稿: ちいこ | 2008年9月29日 (月) 21時07分

>ちいこさん
あぁそういう意味でございましたか。
良い作品などは、
その周りもものまで記憶に残りますからね。

投稿: シン@部屋主 | 2008年10月 1日 (水) 19時21分

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