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山魔の如き嗤うもの 三津田信三

お気に入りの作家「三津田信三」氏の最新作です。

山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ) Book 山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)

著者:三津田 信三
販売元:原書房
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部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

「山魔(やまんま)に嗤われたら・・・終わり」。

都会で教師という職に就いている「郷木靖美(ごうき のぶよし)」は、成人の儀礼のため嫌いな生まれ故郷へ半ば強制的に帰郷させられていました。

嫌々ながらも開始した成人参りの途中、靖美は誤って「忌み山」へと迷い込んでしまいます。

そして、禁忌の山で様々な怪異に襲われた靖美は、命からがら人の住んでるはずのない忌み山の中にあった一軒家へと逃げ込みます。

そこには数十年前に村を出たと言われていたはずの「鍛炭立一(かすみ たついち)」一家が何故か住んでいたのです。

立一家でも不思議な出来事に遭遇しながらもなんとか一夜を無事に乗り切った靖美は、翌朝極めつけの恐怖体験をすることになります。

立一一家が忽然と消えたのです。それもまさに朝食を食べている途中であるかのような光景だけど残して。

儀式に失敗し、理解不能な恐怖体験をした靖美は東京に戻ってから床に伏せってしまいました。

靖美の書いた体験記や、以前に靖美の故郷「神戸(ごうど)」地域に怪異蒐集に行っていた縁などで、怪奇幻想作家「刀城言耶」は、この不可解な出来事の謎を解くために、現地へと足を運びます。

そして、そこで言耶は恐ろしい連続殺人事件に遭遇するのです。

「しろじぞうさま。のーぼる」

一人目の犠牲者が出ました。

「くろじぞうさま、さーぐる」

二人目の犠牲者が出ました。

これは、村に残る「六地蔵様」にまつわる奇妙な童歌の見立て殺人なのか・・・

「あかじぞうさま、こーもる」

そして…

山魔の嗤い声が禁断の山に響き渡ります・・・

感想

まずまず面白かったです。

ただ、前半のホラー部分がかなり弱かったのと、要のトリックが少々わかりやすすぎる感があったのと、(大まかなトリックと犯人が合ってただけだけで偉そうに言うのもあれだけど)薀蓄が少なかったのが残念な点ですね。

とりあえず薀蓄はともかくとして、あまり怖くなかったのは部屋主的に非常に残念です。 ホラーとミステリの見事な融合が三津田氏の真骨頂だと部屋主は思ってますので・・・って、期待しすぎてた点もあるかもですが。

ミステリ度に関しては、あの2つヒントはいくらなんでもやりすぎではなかったかと思います。

犯人を特定するためにある程度必要といえば必要なわけなので、フェアといえばフェアなわけですが(他にも毎度のことながら謎のポイントの羅列もあるから考えやすかったりするというフェアさがあったりも) 。

とはいえ、相変わらずの細かい部分の伏線の多さには脱帽ですね。よくまぁこれだけやりながら話の整合性をつけられるものだと思います。

なのでラストの謎解き部分は毎度のことながら楽しくて仕方がなかったです。

きっちりと回収される伏線と、何度か繰り返されるどんでん返しが実にたまらない。

中弛みが多少感じられるけれど、このラストを楽しむために一言一句逃さずといった感じで楽しめました。

何気に大好きな表紙も含めて(本編とはあまり関係がないけど)、これまたいつもどおり次回作にも是非とも期待したいものですね。

あと、キャラが弱いと批評されていたためかどうかは知らないけど、今回は人物作りに力を入れていたように感じました(あまり成功しているとは思えないけど)。

中でも目立っていたのが女性編集者「祖父江偲(そふえ しの)」ですね。

言耶と京都弁の彼女の夫婦漫才のようなやりとりは、正直なところ作品のイメージを壊しているような感じがしないでもなかったりなのだけど、個人的にはこれはこれで面白いとも思いました。

あとは人生訓になるような人間ドラマか、泣けるような人間ドラマがあれば申し分なし…と思いましたが、これまた作品イメージと合わないなとも。

面白かったこと面白かったけれど「厭魅~」や「首無~」と比較すると、何か少々物足りない感が強い作品でした。

かゆいところに手が届きそうで届かない。

そんな感じ。

部屋主のこの本から選ぶ格言

探究心のない単なる好奇心だけの行動は身を滅ぼす

この世の全ての出来事を人間の理知だけで解釈できると断じるのは、人としての驕りである。 かといって安易に不可解な現象そのものを受け入れてしまうのは、人としてあまりに情けない

まったくもってその通りかと思います。

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コメント

「のーぼる、さーぐる、こーもる」
ちょっとウケてしまいました。

でも、ホラーなんですよね・・・sweat02
やっぱり怖くて読めないです。(;^_^A

投稿: caren | 2008年4月28日 (月) 17時42分

こんばんは。
こちらのシリーズ(というか著者の作品も含めて)気になってるんですが、なかなか読む機会が…
今回新刊が出たので、この機会にとちらっと思ったんですが、思ったよりシリーズが進んでて(3冊目くらいと思ってた)、ちょっと苦しそうです。
そのうち、ぜひ。

投稿: ちきちき | 2008年4月28日 (月) 19時09分

>carenさん
この歌は何気に6番まであったりします^^
他のヴァージョンは…
本書を手にとってご確認をということで(笑)
これは怖さはさっぱりなので問題なく読めると思いますよ♪
と、ホラーといってもホラーじゃないのが
この「如き」シリーズのいいところだったりしますし☆

>ちきちきさん
こんばんは。
このシリーズはオススメですよ。
「厭魅~」と「首無~」は抜群にオススメです。
これでシリーズ4作品目となりますが、
共通の登場人物や物語はそんなにないので、
「京極堂」シリーズなんかと比較すると、
ある意味でどこから読んでもそれなりに楽しめると思います。
もちろん1作目から読むにこしたことはないですが・

投稿: シン@部屋主 | 2008年4月29日 (火) 12時35分

この本についてじゃないので書くべきか迷ったのですが、しかも、何にカテゴライズされるかも不明だったのですが、私的にはホラーに括った作品をご紹介します。
佐藤ラギの「ギニョル~人形~」です。
読後感の悪さなどを考えるとお薦めするべきでは無い作品なのかもしれませんが、二度も買って二度とも手放した作品なので、シンさんならどう読みとくかな~?って気持ちで、薦めてみました。
機会があったら読んでみてくれると嬉しいです。

投稿: ちいこ | 2008年7月31日 (木) 11時12分

>ちいこさん
どこの記事でもこういうコメントは嬉しいものです。
佐藤らぎ氏の「ギニョル」ですね。
二度購入して二度も手放した本となると
非常に興味深いので早速今度買ってみたいと思います。
しばしレビューをお待ちくださいませ。

投稿: シン@部屋主 | 2008年7月31日 (木) 19時42分

この本、遅ればせながら最近読みました。
シンさんの感想にはうなづくばかりです。
私もブログに感想を載せましたので、
よろしければどうぞ。

投稿: じっちゃん | 2014年12月10日 (水) 07時53分

>じっちゃんさん
コメント返信忘れてて申し訳ないです。
じっちゃんさんの方の感想と自分の感想を比較すると似たような印象を受けたようですね。
でも自分の記憶がすでに曖昧で感想を読み直してもそんな感じだったとしかと(苦笑)
如きシリーズに限らず三津田さんの作品は文庫版も表紙買いしてるので再読したいところです。

投稿: シン@部屋主 | 2015年2月22日 (日) 21時53分

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