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鉄鼠の檻 京極夏彦

読みました。

鉄鼠の檻 (講談社ノベルス) Book 鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

著者:京極 夏彦
販売元:講談社
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部屋主の独断ランク:A

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

拙僧が殺めたのだ

雪の積もった山道、全盲の按摩師「尾島」が撞木杖で突いていたもの対し、僧はそう言いました。

「拙僧は鼠だ」「彼の者は牛だ」「檻を破って逃げ出した」などと、よくわからない問答を続ける男が恐ろしくなった尾崎は雪道を一目散に逃げ出しました。

古物商の「今川」は、「久遠寺」という元医者が居候している山奥の宿で、さらに山奥にある「明慧寺」の商談相手から5日も待ちぼうけをくらっていました。

そこに、雑誌編集者の「中善寺敦子」が、同じく雑誌編集者の「鳥口」を連れてやってきます。

敦子の兄でおよそ知らないことないような男「京極堂」が知らないという「明慧寺」を取材するためです。

2人が宿に到着し少しした後、庭にさっきまでなかったはずの場所に、座禅を組んだ状態で凍りついた坊主の死体が突然出現し・・・

これが後に「箱根山連続僧侶殺害事件」と呼ばれる事件の始まりでした。

京極堂がその存在を知らなかった謎の寺「明慧寺」。

何かを隠して取材をしている敦子の同僚「飯窪」。

あってはならないものがあるかもしれない」といって土砂の中から発見された蔵の蔵書鑑定を頼まれた京極堂。

十何年もの間、山中を赤い振袖を着て気味の悪い歌を歌いながら彷徨い歩く年をとらない少女の存在。

そして京極堂すら落せない憑物とは・・・

部屋主の感想

実に面白かったです。

「姑獲鳥の夏」「狂骨の夢」と同じ、Aランクですがこの「鉄鼠の檻」の方が上ですね。ただ、「魍魎の匣」と比較すると少々落ちる感じではあります。

それはさておき相変わらずのクオリティの高さですね。散りばめられた伏線が回収されていく様は見事です。

ただ、ミステリとしては専門的な知識がなければ、犯人が誰がということや動機はともかく、なぜそうしたかは、あのページが挿入されねばわからないというあたりで減点してあります。

とはいえ今回はこの専門的な「禅」に関する薀蓄がたまらないです。非常に勉強になりました。

でもってこういうアプローチもあるのだなと、「禅」について色々と勉強をしてみたいとも思いました

とはいえ、この薀蓄のおかげで物語が長くなりすぎてる感じがかなりするってのもあったりしますが。

お次はキャラ。

相変わらず京極堂と関口のやりとりには笑いましたし、榎木津には笑わせてもらいました。

新キャラがこれまた魅力的だし、旧キャラが色々と出てくるのもシリーズファンとしては嬉しいところです。

「彼」が出てこないのが少々残念といえば残念ですが。

この本の部屋主のグッときた台詞

この世に科学で解明できないものなどないよ。ただ科学的思考と云うのは凡てが証明され、明白になっていない限り、結論をだしてはならないものだ。いずれ凡てが解明できると希望的観測を述べるならいいが、証明できぬ部分まで含めて解かったような顔をするのは驕りだからね。科学的思考に依って理解しようとするなら、現状判らないことは判らないままに棚に上げておくしかないのだと云う腹の括り方をしなければう嘘だ」by京極堂

人間には人間であるという限界があると思ってるので、なんでも科学で解明できるとは思ってませんが、その後は概ね同意です。

どんなに理解が及ばないからと云って、理解が及ばぬものを丸呑みにして理解したが如き気になっていても始まらないし、況してやそれを丸ごと否定してしまっては何も見えて来ないだろう」by関口

彼が徐々に成長しているのも本シリーズの魅力のひとつでしょうか。

他にも「禅」に関する含蓄のある良い台詞が多いのですが、抜粋するには長すぎるし、多すぎるし、前後の文脈や物語の流れというのも楽しんでほしいので、是非とも本書を読んでほしいですね。

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コメント

面白そうですよね~(^ω^)
でもかなり分厚いので(汗)友人が買ったら借りようかなと思っています~

投稿: ゆり | 2008年2月12日 (火) 22時06分

>ゆりさん
面白いですよコレは^^
京極堂シリーズもだいぶ読み終わりましたが
今のところこれは3番目に好きです。

投稿: シン@部屋主 | 2008年2月14日 (木) 00時06分

私にとっては難しすぎた本作です。笑)
mixiの京極コミュニティでも、この作品を如何に読むか、っていうトピックがあって、栞やメモを使って工夫してる人がいました。w
私もあと何度か読んで理解を深めたい作品です。

投稿: リタ | 2008年2月18日 (月) 15時29分

>リタさん
一応宗教関連の研究をしてたし
理解力はあると自負してますので
ある程度は理解できてると思ってます(^^;
とはいえこの手の話は含蓄が詰まってますので、
読み手の能力に得るものが変わってくると思いますので、
またいずれ読み直してみたいと思います。

投稿: シン@部屋主 | 2008年2月18日 (月) 19時47分

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