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屍鬼 (二)

「一」に引き続き「二」の感想です。

屍鬼〈2〉 (新潮文庫) Book 屍鬼〈2〉 (新潮文庫)

著者:小野 不由美
販売元:新潮社
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部屋主の独断ランク:A

   作品全体ランク:S

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

減るどころかますます増加していく住民の不審死。

いち早く事態に気づいた村の有力者の家系である医者の「尾崎敏夫」は、村最大の有力者である寺の跡取りで小説家で住職も務める「室井静信」とともに密かに調査を開始します。

しかし、一向に不審な死の正体はつかめないまま、毎日のように死者の数だけが増えていきます。

さらに、誰にもなにも言わずになぜか夜中に忽然と引越していく村人たちも増加していき、村はますます異様な空気に包まれていきます。

そんな中、静信は廃墟と化した聖堂で、村には場違いな洋館に住む少女「沙子(すなこ)」と出会います。

一方、親の都合で外場村に引っ越す事になり、早く村から出たいと望んでいる「結城夏野」は、正体不明の視線に悩まされており・・・

部屋主の感想

2巻もまだほとんどが「起」の段階で、かなり後半に入ってから「承」の段階に入ります。

なかなか物語が進まないので少々やきもきしますが、やはり面白いです。

1巻で丁寧に紹介されていた人物たちが少しずつ亡くなります。それにともない家族をはじめとした周囲の人間が悲嘆にくれる様が巧みに描写されており、1巻の時も感じたことですが、思わず自分が身内の葬式に出席したときのことなどを思い出しましてしまい、読みながらつい哀しくなってしまうあたり、著者の力量を感じました。

それにしても、タイトルからして勝手に「屍鬼」が人を襲いまくるゾンビ系だと思ってたのですが、ここまではほとんどウイルス系ですね。少々意外でした。

あと、終わりの方にある「静信」と「沙子」の会話は↓で抜粋しますが、実に文学的というか哲学的で色々と考えさせられます。何気に後半の伏線となってると思いますし。

それにしても、メインの人物たちは静信にしろ敏夫にしろ夏野にしろ全員タイプは違うのにみんな素敵です。

でもそれを補う脇役達がまたいい感じです。「徹」、「正雄」、「昭」、尾崎医院の看護婦の面々といった具合に。

その中でも村の入り口のお店で、やたら冷静に事態を傍観者的に見ている「タツ」さんが妙に気に入っています。

この巻の部屋主のグッときた台詞

「神様に殉じて自分を捧げてしまえるような、そういう人間になりたいんだわ。けれども神様の姿が見えない。・・・なぜなら自分は神様に見放されているから」

「室井さんは神様を信じているのよね。それに奉仕したいと思ってる。殉じられるほど忠実でいたいんだわ。けれども誰も、室井さんの信じる神様を信じてない。それを確認するたびに、室井さんは神様なんていなくて、それは単に自分が固執している価値観でしかない―誰もが持ってる多様な価値観でしかないことを悟るんだわ。それは神様じゃない。室井さんはそのたびに神様を見失ってしまう」

「神様を信じたい、それに殉じたい、なのに神様が見つからない」

「自分の思い描く神様は、理念としては理想的だけど、自分だけのものだから神の名に値しな。かと言って、世の中の人が指し示す何かは、大勢の人の信仰を集めているけど、理念としては不純で、やっぱり神の名に値しないように見える」

「実を言うと、ぼくは絶対的な何かなんて信じていない。あればいいとは思うけれども。ないんだってことをわかっているんだ。一つの価値観が絶対的であるなんてことは、そのように統制された結果としてしか生じないことだと思うんだよ。そして統制の結果、絶対的な地位に祭り上げられた理想なんて、理想と語る値打ちがない。ぼくは君が考えてる以上に理想主義者なんだ」

上記の静信と沙子の会話の抜粋です。どうです?実に考えさせてくれる言葉ではないでしょうか。

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コメント

ただいま~。先ほど帰宅しました。。。
疲れた。。。チロルのイチゴ大福買いに行って早めに寝ます。。。

投稿: EMI | 2007年11月23日 (金) 15時39分

タイトルから、私もゾンビ系を想像していましたが・・・ウイルス系ですか!

投稿: 陸抗 | 2007年11月23日 (金) 16時15分

>EMIさん
お疲れ様です^^
糖分を摂取して休養してくださいませ。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月23日 (金) 21時23分

>陸抗さん
あくまでここまではウイルス系のように見えます^^
この巻ではゾンビ系の展開は少なく、

ゾンビ的展開を見せるのは次巻以降になります。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月23日 (金) 21時24分

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