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屍鬼 (一)

全5巻で2500Pを越える大作なので読みたいと思いつつも金と時間を考慮して読んでなかったのですが、来月から「ジャンプSQ」で「封神演義」の「藤崎竜」氏が漫画化するということなので、氏の印象がついてしまう前に読んでおかねばと思い購入しました。

屍鬼〈1〉 (新潮文庫) Book 屍鬼〈1〉 (新潮文庫)

著者:小野 不由美
販売元:新潮社
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部屋主の独断ランク:B

   作品全体ランク:

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

猛暑に襲われた年の11月。

「溝辺町」北東の山間部「外場」方面から山火事かもしれないという通報が入ります。

外場と連絡がなぜか取れないため「外場村の消防団は何をしているだ」と、溝辺町の消防士たちは訝しがりながらも現場へと向かいます。

途中、村から逃げてきた車に事情を聞いたところ事態はどうやら山火事という最悪の展開を見せているようでした。

車に積まれていた棺に驚きながらも、外場村の特産品は「卒塔婆」や「棺」だったことを思い出し、問題なしとして現場に到着した消防士たちは、山火事の規模に驚くとともに自分たちには何もできないことを悟ります。

その日、外場と呼ばれる集落は、周辺1000ヘクタールにも及ぶ山林を巻き込んで消滅したのでした・・・

人口およそ1300、三方を尾根に囲まれ、未だに土葬をはじめとした古い因習が残る外場村。

8月に入った頃、山奥の集落である外場の中でもさらに山深い地区「山入」で、そこの全住民である3名の老人が腐乱死体となって発見されます。

周りには無数の肉片が散らばり、まるで獣が蹂躙したかのようでした。

同時期、村の住人に不審な死が続きます

性別・年齢・住んでいる場所・死因はバラバラなものの、貧血によく似た初期症状を示し、劇的に症状が悪化し死亡するというところは同じでした。

その致死率は100%。

また、山奥に村に似つかわしくない洋館を建て、闇夜をついて謎の家族が引っ越してきます。

連続する不審死にその家族は関わっているのか、未知の疫病か、それとも・・・

部屋主の感想

最初に全5巻で2500Pと書きましたが、3日で読んでしまえるほどの面白さでした。それくらいページをめくる手が止まらないと。

そしてホラー作品ですが、内容は文学的というか哲学的でもあるというか、とにかく見事な作品だと思いました。

非常に気に入りました。

全体的なごくごく簡単な感想はそんな感じとして、一巻の感想を開始します。

さてさて一巻ですが、580Pもあるのにそのほとんどが登場人物や村の描写がメインです。

もちろん物語的にも進んではいるのですが「起承転結」の「起」の胎動くらいといった感じです。

とはいえそれで面白くないかといえば、「だるくなってきたなぁ」と思うタイミングで上記の胎動が入っていたり、これはどんな伏線なんだろうと考えさせてくれる部分が挿入されているので、ヘタな小説よりは面白いのだからさすがというべきでしょうか。

また、村の風景が実に頭の中に浮かんできますし、田舎の村特有の人間性なども実に巧みに伝わってくるあたりもさすがでした(これは部屋主が田舎出身だからかもですが)。

でもって言及しておかねばならないのは登場人物の多さです。何人出てくるんだ?って思うくらい出てきます。

しかもそれが出てくるだけでなく、それぞれの人物の家族構成やキャラクターがたっているので、実に先が気になるわけですよ。なんたってホラーですからね。

あらすじに書いたようにエンディングから物語が始まっている効果もあり、いやがおうにも先が知りたくて仕方ない状態になってしまいます。

この巻の部屋主の好きな台詞

愚かに生き、愚かに死にたいのならそうさせればいい。それも本人の選択の自由のうちだ」by夏野

それが他人を巻き込まないのであれば部屋主も賛成です。

そもそも人の生などというものは、持続するはずという希望的憶測のもとに成り立った幻想でしたかない。生死は表裏一体のものだ」by静信

確かに。

死はランダムに起こる。それぞれの事例は得てして独立しており必ず関係を持つとは限らない。だが、人の認識は不連続の点の集合に意味を与え、関連づける。意味は「ある」のではなく、付与されるのだ」by静信

これを意識できていれば心霊現象に騙される確率は減るかと思います。

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コメント

シンさん、こちらも未読だったのですね。
京極堂に続いて大好きな作品が出てきて嬉しいですw
シンさんとは逆で、私は小野不由美といえば
ゴーストハントよりこちらだったんですよ。
普段ホラーっぽいのは読みませんが、
これは薄気味悪さがたまらなく気に行ってたりします。

投稿: あくびネコ | 2007年11月21日 (水) 11時42分

小野不由美さんの作品は「ゴーストハント」と「十二国記」しか読んだこと無いので、読みたいです。
ホラーというジャンルにちょっとびくびくしてしまいますが(^^;

投稿: 陸抗 | 2007年11月21日 (水) 11時51分

「ページをめくる手が止まらない!」
そんな本に出合えると、本当にうれしくなっちゃいますよね☆
それに描写が細かいと、物語にどっぷり浸れますよね(*^^)
次のレビューが楽しみです♪

投稿: caren | 2007年11月21日 (水) 12時07分

>あくびネコさん
京極さんに続きこれも未読でした。
両方とも本数が多かったのでハマると大変だなぁと(^^;
この作品はほんとに素晴らしかったと思います。
ホラーの薄気味悪さをしっかり表現しつつも、
文学的・哲学的なテーマが底にしっかりと流れていますし。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月21日 (水) 14時11分

>陸抗さん
私は両方とも漫画でしか知らないのですが、
これは正直見事だと思いました。
ホラーとはいえグロい系の怖さではなく、
影から密かに迫ってくる静かな恐怖の描写が見事です。
中盤以降はその恐怖も一筋縄で評価できなくなり、
実に色々と思い悩まされると思います。
是非ともご一読くださいませ。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月21日 (水) 14時15分

>carenさん
ほんとこの作品に出会えたこと、
この作品を生み出した作者に感謝ですね^^
以降も気合入れてレビューしますので、
お気に召しましたら是非ともcarenさんもお読みください☆

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月21日 (水) 14時17分

…実はこれ私未読なんですよね…
これね、発売日にハードカバーで買ったんですよ~(>_<)
ずっといつか読もうって思って本棚の前の方に置いてるんですけど。
今となっては文庫の方が絶対読みやすい…

でも漫画化とはビックリ!
また久々に背中を押してくれるようなお話を聞いたので、いよいよチャレンジしようかな。
それにしてもジャンプSQは評判いいみたいですね。

投稿: ちきちき | 2007年11月21日 (水) 20時54分

これジャンプSQで出るというので気になってました~本のほうが面白そうですね(^ω^)でも長い・・・

投稿: ゆり | 2007年11月21日 (水) 23時19分

私これ持ってますが、長いこと「積ン読」状態になってます。
これを機会に読んでみようかな。

投稿: じっちゃん | 2007年11月22日 (木) 12時25分

>ちきちきさん
ハードカバーで持ってるなんてなんでうらやましい!
ハードカバーで保存したい派の私としては
ほんと喉から手が出そうです(>_<)
っていうか持っていて読んでないとはもったいない。
これは名作だと思うので是非とも読んでみてほしいです^^
漫画化に関しては私の見た範囲では賛否両論した。
私個人としてはミスマッチだと思ってますが、
ミスマッチをどう活かしてくれるかと期待しています。
ジャンプSQは月間ジャンプよりは
かなり面白くなった印象がありますね。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月22日 (木) 12時41分

>ゆりさん
マジで長いです。
読んでも読んでも続きが出てくるくらい。
とはいえ面白いのでサクサク読めます。
睡眠時間を削ってしまうくらいに(>_<)

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月22日 (木) 12時44分

>じっちゃんさん
じっちゃんさんも「積み本」ですか。
私も読みたいと思いつつも読んでなかったので
同じといえば同じですかね(^^;
なんにせよ個人的には見事な作品だと思うので
是非とも読んでいただきたいところですね。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月22日 (木) 12時46分

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