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屍鬼 (四)

「一」「二」「三」に続き「四」です。

屍鬼〈4〉 (新潮文庫) Book 屍鬼〈4〉 (新潮文庫)

著者:小野 不由美
販売元:新潮社
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部屋主の独断ランク:S

   作品全体ランク:S

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

増える死者、消えていく住民、絶たれる外部との接触。

外場村民の精神は徐々に蝕まれ、その絆は崩壊をはじめます。

その影で、「屍鬼」の存在に気づき対抗しようとしたものたちは、密かに抹殺されていきます。

「屍鬼」に対抗する策を練るため、医者である「尾崎敏夫」は、連夜密かに自らの病院で地獄絵図を展開していました。

結果、はびこっていく「屍鬼」を壊滅させる糸口を掴んだものの、その方法や考え方の違いから、唯一の仲間である住職の「室井静信」と仲たがいしてしまい・・・

部屋主の感想

実に面白いです。

ここまでは主人公であると思われる(部屋主は静信・敏男・夏野の3人が主人公だと思ってました)敏夫と静信なら、静信の方が自分と考え方が近いと思って好きだったのですが、ここにきて逆転しました。

自分の中の闇の部分について考えたり、悩んだりするキャラは基本的に好きですし、屍鬼の思考に理解を示すあたりも好きです。ただ、傍観者的な立場となるのは気に食いません。

一方、敏夫ですがこちらはいいです。この冷静さ具合がたまらんですね。

はたから見たらかなりの鬼畜かも知れませんが、何が重要であるかの自分の基準をしっかり持ち、決断し実行するのが素敵です。

この敏夫の行動と同じかそれ以上に、この巻で一番気に入っているのは「徹」と「沙子」の会話です。

ネタバレするので上手くかけませんが、他の生物の生命を喰らって生きる人間はこのあたりをしっかり理解して生きていかねばと思います

正直、ここまでは物語としても面白い上、なかなか深い物語ではあると思ってましたが、その深さに関してもっと掘り下げられると少し不満でした。

ただ、ここでの沙子の発言でその深さもしっかりしてることがわかり非常に満足を感じました(静信の小説を深く読むとここまででも想像することは可能だったかもですが)。

この巻の部屋主のグッときた台詞

ぼくの現実は、歪んだ鏡に映し込まれた歪んだ認識の集積にすぎない

ですね。自戒せねばと思います。

家畜だって死にたくはないのよ。自分の死から逃れたいと思わない生き物はいないわ。きっと、いない。だって『生命』は生存のための機会なんだもの。すべての生き物は生きる。生存のために生存しているの。なのに死にたくないのも、死ぬ事を悲しむのも人間だけだと思ってる。違うわ。悲しみは人間にだけ存在するんじゃない。すくなくとも、死の恐怖は人間だけに存在するんじゃないわ。そんなはずないでしょ?ただ、人間には人間的な悲しみや恐怖でなければ理解できないだけのことなよ

獲物を憐れむな、とは言わないわ。けれども自分を責めては駄目。自分を責めるくらいなら、自分を憎んで殺せるほどでなければ駄目よ。・・・それしか選択の余地はないんだもの

上記の徹と沙子の会話の抜粋です。本の方を読んで色々と考えてみてください。本書がただのホラー小説とは一線を隔していることが理解できると思います。

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コメント

実は私は住職さんの方に感情移入しながら読みましたw
お医者さんはちょっと怖かったです。
私が読んだのは文庫じゃないのでこの4巻が
物語の大体あの辺だろう程度なんですが、
ここまで来ると普通の人がいなくなってきて
本当にドキドキさせられました。

投稿: あくびネコ | 2007年11月27日 (火) 10時59分

ものすごーく奥が深い作品なのですね。
最後に書かれている徹と沙子の会話は、
ホント、ぐっときますね・・・
ラストはどうなるのでしょう・・・??
とても気になります。(*^^)

投稿: caren | 2007年11月27日 (火) 12時16分

>あくびネコさん
お医者さんは怖かったですか。
やはりそう思う方は多いと思いますが、
あの状況で冷静にあれをやれる敏夫は素敵だと思います。
この巻あたりからほんとドキドキですよね^^

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月27日 (火) 13時08分

>carenさん
かなり奥が深い作品だと思いますよ^^
屍鬼の設定が他のゾンビ作品と一線を隔しています。
個人的にはもう少しエピローグを
しっかり書いてほしかったですが
ラストはそれはもう・・・です(^_^)

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月27日 (火) 13時10分

おー屍鬼読んでるのかー。

面白かったけど私としてはなんか足りない。
もっとページ数を!とちょっとだけ思ったかな。

あ、でも5巻に向けての集約感は楽しいですね。
十二国記マニアなので小野さんサイコーです。

投稿: STERNE | 2007年11月27日 (火) 15時47分

だんだん読みたい熱が加速してきました。
全5巻でしたっけ?
図書館にあれば、すぐにでも読むのですが・・・(悩)

投稿: 陸抗 | 2007年11月27日 (火) 16時27分

>STERNEさん
実はまだアップしてない5巻の感想で書いてるのですが、
もっとおどろおどろしい展開にできたのに、
それをしてないのが個人的には少々ものたりないかとも。
ただ、これまた次の感想で書いてあるのですが、
あまり書きすぎるのもどうかなとも思いますして。
とりあえずこのあたりから
クライマックスにかけての流れは実に見事だと思います^^

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月27日 (火) 20時43分

>陸抗さん
全5巻、約2500ページです!
この作品はほんと面白いと思いますので、
図書館なんていわずに買いましょう(笑)
さぁ、サイドバーのアマゾンボックスか、
↑のアフィリエイト画像をクリックです!

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月27日 (火) 20時44分

 こんばんは。ご無沙汰しています。
 実はこの本、自分も読んで気にいっていただけにシンさんがどんな反応かなぁと思い読ませていただいておりましたが、気にいられたようでなんか嬉しいです。自分がいいなぁと思うのを他の人もいいなぁと思うのって本読み的には嬉しいものです。
 小野さんは他にもたくさん面白いのありますので、是非是非にとお勧めです。 
 

投稿: 樽井 | 2007年11月28日 (水) 00時10分

>樽井さん
こんばんは。
樽井さんも「屍鬼」好きだったとは嬉しいですね^^
私も同じく本読みですんで同じように
自分が面白いと思う本が他の人も好きだと嬉しいです。
まぁ逆に嫌いでっていう意見も面白くて好きですが。
同じ本を読んでるってこと自体が好きなのだと思います。
小野さんの本は他にも色々あるみたいなので、
今後また読んでみたいと思っています。

投稿: シン@部屋主 | 2007年11月28日 (水) 02時53分

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