« あさりときのこの和風パスタ | トップページ | 緑の野菜 »

そんなバカな! 遺伝子と神について

ちょいと前に「VIVA読書!」さんで紹介されていたのを思い出し、ちょっと前の本ですが息抜き代わりに安かったので(490円)購入してみました。

そんなバカな!―遺伝子と神について Book そんなバカな!―遺伝子と神について

著者:竹内 久美子
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

部屋主の独断ランク:A

内容紹介のようなもの

第1章「全ては遺伝子からはじまった」では、ホールデンの集団遺伝学、ハミルトンの血縁淘汰ドーキンスの利己的遺伝子、クリックの二重螺旋、について書かれています。

第2章「我々は乗り物である」では、遺伝子がいかにして行動を支配しているか、ニホンザルのイモ洗い行動と文化を生み出すミーム(模倣と記憶から作られたドーキンスの造語)、などについて書かれています。

第3章「利己的遺伝子の陰謀を暴く」では、ゲーム理論と遺伝子の生存戦略、嫁姑戦争に見られる自分を客観的に認識できないこと(自己欺瞞)の利点、男の分類と繁殖戦略としての離婚について、躾と遺伝子、出生率と福祉の落とし穴、などについて書かれています。

第4章「利己的遺伝子のさらなる陰謀」では、遺伝子の生存戦略を有利にする神の概念遺伝子と自己欺瞞と様々な集団活動、などについて書かれています。

部屋主の感想

10年以上前の本ですがよかったですね。この分野には前から興味があって多少知識があったので内容的には知ってることがけっこうあったのですが、本来難しい問題を身近な話題を絡めて面白おかしく語ってある文体のせいかとても読みやすく面白いです。

全編を通して遺伝子が人間や動物の行動を規定している確たるものであるという主張でしたね。ちなみに、部屋主もこの手の生物学的知識なしで人間行動を見ていてはいけないと考えている人間だったりします。

もちろん遺伝子だけでなく環境なども重要な要因だと思ってますがね。ただし、環境を作り出してきた歴史は遺伝子の歴史でもあるわけということなどを考えだすと・・・

部屋主の考えはその辺にして、細かい感想ですが、「女性の妊娠」と「男の分類学」、「男の繁殖戦略」や「一夫多妻制度の合法化」あたりはニヤニヤしながら読めるのではないでしょうか。

また、「人間の自己欺瞞能力」、「福祉の部分停止」、「遺伝子と神の概念」についての箇所は、普段こういうことを考えたことがない人には目から鱗でしょう。人間の自己欺瞞能力に関して書かれている箇所は特に読んで欲しいと思いますので、それが書かれている「知らない間の武闘訓練」のところだけでいいので立ち読みして欲しいです。自分が良い行いをしてると信じて集団で行動している方などにはきついかもですが。

関連書籍としては、本文中でも何度か出てくる、ドーキンスの利己的遺伝子説やダーウィンの進化論に対して反論している「グールド」の「ワンダフル・ライフ」や、そのグールドの言説とドーキンスの言説を比較検討している「ドーキンスVSグールド」がオススメです。

この本から部屋主が選ぶ格言

クリックの研究態度を見ていると、早々と“専門家”になってしまわないことがいかに大切かがわかる

スペシャリストよりもゼネラリストをってのが部屋主の考えです。ゆえにこの言葉には賛成です。

「この分野の人間の少なくとも8割は、『親子の愛情』を信じていない。少なくとも9割は『友情』が存在するとは到底信じがたく思っている。そして、おそらく全ての研究者が確信を抱いているのは、『人類が皆兄弟』などということは断じてありえないこいうことである」

この分野というのは動物行動学です。この分野に限らず、この辺の分野の知識があればこう考えるのも納得いくかと部屋主は思います。皆様はどう思いますか?

人間の人間たる最大の特徴は自分のやっていることの意味を、もう少しでも真剣に考えてみたのならすぐに気がつく能力をもっているのに、いつまでたっても気づかない。あるいは自分の姿を歪曲した形でとらえてしまう、といった性質であると結論せざるを得ない。こういう自己欺瞞の性質は、明らかに遺伝子のコピーを増やすために役立っている

この能力が人より少ない人は人生辛いのではないでしょうか。とはいえ、自己欺瞞を暴いていくことは哲学することの重要な一つであると考えていますので、ここを読んでくれてる皆様もおつきあいくださると嬉しいです。

人間たるもの所詮は利己的遺伝子と利己的ミームの乗り物なのである

この本の基本的主張ですね。

人気blogランキングへ←ポチっと応援お願いしますm(__)m

にほんブログ村 本ブログへ←こちらもポチっと応援お願いしますm(_ _)m

|

« あさりときのこの和風パスタ | トップページ | 緑の野菜 »

コメント

研究室で癌遺伝子治療の研究をしていた十一月うさぎです。
こんばんは。
興味のある本ですね。
私と姉は左利きですけど、両親は右利きで、父方の祖父(つまり父の父親)だけ左利きなのですよ。
隔世遺伝子の話題は載っているのでしょうか?

投稿: 十一月うさぎ | 2006年11月 4日 (土) 19時30分

シンさんこんばんは(*^щ^*)
人間の性質を知り、自分を知り、自分で気づくことは大事ですね!

投稿: みにこ | 2006年11月 4日 (土) 22時40分

>十一月うさぎさん
こういうのは得意分野なのですかね^^
だいぶ前の本なので専門にやってる方には
ちょっとあれかもですが
個人的にはとても面白かったです。
笑えるという意味でも。
隔世遺伝の話は特になかったように思います。

投稿: シン@部屋主 | 2006年11月 4日 (土) 23時19分

>みみこちゃん
その通りですね^^
だから基礎となる知識を
今のうちに蓄えておきましょうね(^д^)

投稿: シン@部屋主 | 2006年11月 4日 (土) 23時26分

この本は出たばかりの頃に読み、たしかに発想は面白いし、目から鱗的事実もあって非常に楽しく読ませていただきました。ただ、その一方で何でもかんでも遺伝子の戦略に結びつけるやり方には疑問も感じました。

 遺伝子に関する面白エッセーとして読むのはいいと思いますが、しっかりとした根拠のある科学読物としてよむのは危険なように思います。

投稿: じっちゃん | 2006年11月 5日 (日) 07時42分

>じっちゃんさん
すでにお読みでしたか。
さすがです^^
なんでもかんでも遺伝子に結びつけるのは確かに危険ですが決して欠かしてはいけない視点であると思います。
個人的にはこれで遺伝子等に興味を持ってもらって、進化生物学や古生物学といった分野に興味を持ってもらえればと考えています。
グールドの本も非常に面白いので
良かったら読んでみてください。

投稿: シン@部屋主 | 2006年11月 5日 (日) 09時17分

こんばんは~。
中高生時代の教科書は進化論について、ラマルクやダーウィンの時代で止まっていたように思います。
個人的にぼくも興味のある分野ですので、何冊かの本を読みましたが、最新の研究は分子生物学と不可分の領域に入っているようで元々理系になじみの薄いぼくには理解が追いつかなくなっています。
そういう意味では門外漢にも直感的に理解しやすくまた興味深く読めるドーキンスの『利己的な遺伝子』も、その理論を日本に広めた竹内の本もとても面白く読めましたし、その後、ドーキンスのいう遺伝子戦略の仮説がミーム理論やゲーム理論に与えた影響を考えると意味の大きいことだと思います。
ただし、じっちゃんさんが書いてらっしゃるように、竹内は一仮説に過ぎないこの理論を用いて何でもかんでも強引な説明をつけようとしすぎて、我田引水としか思えないところまで風呂敷を広げすぎています。
読者が「いやいやあんたこそ、そんなバカな!」と突っ込みたくなるのは、やっぱりやり過ぎですよね。
一連の竹内の著作は、後になればなるほどこの理論についてかえってうさんくさい印象を広めてしまっていると思います。

長々と失礼いたしました。

投稿: 月下 燕 | 2006年11月 5日 (日) 19時29分

>月下燕さん
私は物理・化学を選択してたので
生物は全くの独学だったりすのですよね。
この分野は分子生物学や大脳生理学にその他様々な分野が学際的絡まっているので、とても難しいですが、それに比例して楽しいと感じています。
じっちゃんさんや月下燕さんの言うとおり、なんでもかんでも遺伝子論に帰結するのは確かに問題ありですが、これらの割合が高いのも事実なので人間について勉強する人たちには必修にすべきであると考えています。

投稿: シン@部屋主 | 2006年11月 5日 (日) 23時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: そんなバカな! 遺伝子と神について:

» そんなバカな!遺伝子と神について/竹内久美子 [仮想本棚&電脳日記]
そんなバカな!遺伝子と神について/竹内久美子 書店によっては「トンデモ本」に分類されていることもあるのでご注意ください。 [続きを読む]

受信: 2007年1月 2日 (火) 10時57分

« あさりときのこの和風パスタ | トップページ | 緑の野菜 »