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多重人格殺人

虫送り」「狼神」に引き続き、食が専門の文化人類学者「日下部遼」が登場する作品の中の1作です。どうやらこれが日下部シリーズの第1作目っぽいです。

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Book 多重人格殺人―サイコキラー

著者:和田 はつ子
販売元:角川書店
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部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

警視庁捜査一課の女キャリア刑事「水野薫」は、ドリルで頭蓋に穴を開けられ脳を取り出されて変死していたモデル志望のOL「結城みちる」の殺人事件を捜査をしています。まず容疑者として浮かべあがってきたのが、みちると交際していた助教授「日下部遼」でした。

日下部を尋問し、彼を犯人ではないと判断した薫は、日下部から聞いた脳を食べるという行為についての話を元に、かつて起きた10歳の少女が脳をえぐりだされ、全身の肉を削ぎ落とされて殺されていた事件とみちるの事件を結び付けます。

また、日下部の証言からは、みちるが死ぬ前にモデルとしての仕事をしていたことがわかり、薫は日下部とともにその撮影を行った、かつて一世を風靡したSM写真家の「朝倉文丈」の元を訪れます。しかし、朝倉の証言からは特に収穫は得られませんでした。

そんな中、有名な漫画家「三橋みどり」が、同じように脳を奪われた死体として発見されるのです・・・

部屋主の感想

まず、全体的な評価としては微妙です。それなりにミステリっぽい形式は取ってますが、さほどでもないです。ホラーとしても怖くはないです。じゃあ何系?と問われるとグロい系かと思います(あらすじにはサイコスリラーと書いてあります)。

物語としても盛り上がりに欠けてると思います。な~んかだらだらしてる印象を受けました。被害者の共通点を見つけ、犯人を追う過程は面白いのですが、犯人が丸わかりなのはいただけません。犯人を追うタイプのミステリではなく、犯人の動機と被害者の共通点を追うタイプのミステリだとは思うことは思うのですがやっぱりねぇ。

でもって、何より気に食わないのがタイトルの「多重人格」です。どこにも多重人格のようなキャラは存在しません。いったいこのタイトルはなんなんでしょうか。不思議です。これが執筆された当時(1996年くらい)に、こういう系統が流行していたからという単純な理由でしょうか。もしそうならなおさらゲンナリです。とはいえ当時からそれにハマち続けてる部屋主だったりしますが。

と、ここまで批判してきましたが、相変わらずの食に関するウンチクは非常に楽しいですし、「飢饉の歴史」や「食肉の歴史」、そして「カニバリズム」を物語として練りこんであるあたりは流石です。面白い上、とても勉強になりました。

あと、この作品の時点では、水野と日下部のどちらが主人公であるかは決めかねているように感じました。部屋主個人としては水野が主人公のような印象をうけましたしね。別のシリーズを読まずに、最初にこの作品を読んでいたら、きっと部屋主は日下部を犯人候補として読んでると思います。

この本から部屋主が選ぶ格言

「家族、家庭の無理解。愛情の欠如。私は自然の放棄は家庭の崩壊につながるものだと思います。その意味では当たり前の家庭、情愛の象徴である食生活も今、きしみはじめていると考えています。ビジネスマンもキャリア女性もパートの主婦までも仕事、仕事。金、金、金。そして皆テイクアウトやグルメ料理に飛びつき群がり、人間の糧であり源である日々の食をないがしろにしているそんな家庭や生活は残骸に過ぎませんよ」by日下部遼

シリーズを通してのテーマかと思われる「自然」と「」に関する日下部の思想が感じられる台詞かと思います。シリーズを通して彼の台詞を読んでると、自身の食生活を見直して、自然に対して感謝せねばと思ってしまいます。ここを見てくれてる皆様も1度、自分の食生活と自然をどう捉えているかを考えてみることをオススメします。

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コメント

シンさま、いつも私のブログへのご訪問&コメントありがとうございます。

私のブログのリンク欄にシンさんのブログを掲載したいと思うのですが、よろしいでしょうか?

投稿: じっちゃん | 2006年9月30日 (土) 04時13分

>じっちゃんさん
いえいえ、こちらこそいつもコメントありがとです^^
リンクは大歓迎なので、ヨロシクお願いしますm(_ _)m

投稿: シン@部屋主 | 2006年9月30日 (土) 10時49分

仕事上、心理学に携わる事が多い十一月うさぎです、こんにちは。

>どこにも多重人格のようなキャラは存在しません。

・・う!そうなんですか?!
タイトルに魅かれて、このブログ記事読んでいましたけど、ガクッ(笑)
多重人格は、漫画やテレビでもよく取り上げられますよね。
読書とブログ更新、お疲れ様でした。

投稿: 十一月うさぎ | 2006年9月30日 (土) 15時13分

おじゃまです。
脳を食べるなんて・・・
ハンニバルを思い出しちゃいましたよ。
怖いですね。

投稿: たまの猫 | 2006年9月30日 (土) 18時36分

>十一月うさぎさん
そうなんですよ。
なんでこのタイトルなのか全く不明です。
あらすじには徹底的に調査してみたいな感じだったのに、なにがなにやらさっぱりです(まぁ多重人格が極めて稀な上、うそ臭いってのは知ってますから取材したってのはどうかと思ってたんですが)。
多重人格よりもカニバリズムとか、食人祭とかっていうタイトルの方がよっぽどしっくりくる作品ですね。

投稿: シン@部屋主 | 2006年9月30日 (土) 22時08分

>>たまの猫さん
確かにハンニバルですね(^д^)
ちなみに私の尊敬する人リストには
「レクター博士」がいたりします(:^ー^A
>怖い
本編とはさほど関係ないですが、ウンチクとして
食人や食脳の歴史なども書かれているので
ただ怖いだけでなくけっこう勉強になりますよ^^

投稿: シン@部屋主 | 2006年9月30日 (土) 22時19分

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