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姉飼

先日本屋に別の小説を探しに行ったら目に入りました。この本が発売当時、かなり気になっていたのですが、財布と相談して購入を断念しました。今も変わらず金欠病なのですが、巻末を見ると、発売から2年くらい経ってるのに未だに初刷りの上、最後の一冊・・・これは初刷り好きの部屋主を待ってくれていたのだと勝手に思い込み購入を決定しました。夏ですしね。

姉飼 Book 姉飼

著者:遠藤 徹
販売元:角川書店
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部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

第10回ホラー小説大賞の受賞作である表題作「姉飼」を含む、4編の短編から構成されている本です。巻末には第10回ホラー小説大賞の選評もついています。

「姉飼」

疫病を蔓延させる原因となる蚊を食べることによって神聖視されているけれど、あまりの臭さのために普段は忌み嫌われている「蚊吸豚(かすいぶた)」による、村の繁栄を祝う「脂祭り」の夜、小学生の「僕」は縁日で「姉」と初めて出会います。

体を串刺しにされて、伸び放題の爪と髪を振り乱し、うめきとも歓喜ともとれる叫び声を上げる凶暴な「姉」に魅せられた僕は、同級生の美少女・芳美の「隣の家が姉を飼い始めた」という話を聞き、彼女と2人で隣家に忍び込むのです・・・

「キューブ・ガールズ」

細かい設定を決めてお湯をかけるだけで理想の女性ができるという、男の欲望を叶える商品「キューブ・ガールズ」が全盛の時代、ファミレスで目の前に座る裕也から、自分がキューブ・ガールズであることと、賞味期限は数時間であると教えられた記憶喪失の少女の私は・・・

「ジャングル・ジム」

遊具界のガウディと呼ばれる人物に作られた「ジャングル・ジム」は、サラリーマンの心を癒し、言葉を失った詩人に言葉を取り戻させたり、人知れず子供たちを事故から救っています。そんなジャングル・ジムのところにある日女性がやってきます。彼女に恋心を抱いたジャングル・ジムはじょじょに本来の自分の仕事を忘れ変わっていくのです・・・

「妹の島」

最高品質のフルーツを産出する島の支配者である「吾郎」は、「オニモン」という刺されるとあまりの痛みのために死に至る場合もあり、さらには刺した相手の体内に卵を産み付ける蜂に、わざと刺されて快感を得るという得意体質の持ち主です。そのため彼の巨大な体の皮膚下には、無数の蜂の幼虫が蠢いています。

本土には色んな理由でいられなくなった人たちしか雇っていないので、吾郎にそっくりなそれぞれ腹違いの4人の息子たちは島でやりたい放題です。そんなある日、長男の「仁一」が殺され、フルーツとともに盛り付けられたような状態で発見されるのです・・・

部屋主の感想

全編とも、何かしらの不快感や不気味さを感じる物語ばかりだと思います。そういう意味では見事な短編集だと思います。感動や爽やかさを物語に求める方は読まない方がいい作品かと思います。

「姉飼」は、まずその設定に驚きつつ、なんというか読み手の想像力に訴えかけてくるものを感じました。部屋主はもてる限りの想像力を駆使して頭の中で「姉」の姿をイメージしてました。

物語的には、見てはいけないものを見た少年、興味を抱いてはいけないものに興味を抱いてしまった少年といった風に、それなりにありきたりな設定なのですが、漂っている不気味さのクオリティの高さは素晴らしいと思います。

部屋主の好きなどんでん返しなどはないものの、作中に溢れる気持ち悪さを評価して独断ランクはAにしたいと思います。

「キューブ・ガールズ」は、ちょっと頭のイタイ少女の一人称で書かれていて読みづらいし、面白くないと思っていたのですが、ラストのオチで「こうきたか!」とニヤリとさせられました。読む人によっては不快なラストかと思いますが、部屋主個人としてはけっこうツボなラストだったとはいえ、そこまでが退屈すぎるので独断ランクはCにしたいと思います。

「ジャングル・ジム」はなんというかまぁ退屈ですね。独断ランクはDといった感じでしょうか。

「妹の島」は、かなり中途半端な感じが残念なのですが、こういう設定は嫌いじゃないです。吾郎の体内を蠢く幼虫や、気色悪い人格の登場人物たちなど、映像化すればかなり気持ち悪い作品が出来上がるのではないかと思います。そういう期待を込めて独断評価はBとしておきます。

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コメント

本ブログの新着に、シンさんの名前があったので、ついおじゃましました。私にはまったく未知の分野のような気がします(笑)。怖いもの見たさで買ってみようかな???

投稿: VIVA | 2006年8月14日 (月) 20時07分

>VIVAさん
この手の本は全く未知みたいですね^^
この姉飼だけなら有害図書にカテライズしても
大丈夫な気もします(^д^)
夏ですし、気持ち悪さを感じるために
読んでみるのもおつなものかとも☆
でもまぁ怖いもの見たさなら、
カテゴリ怪談の「新耳袋シリーズ」あたりが
オススメですねヾ(ゝc_,・。)

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月14日 (月) 20時23分

この本の表紙からなんだかおどろおどろしいものを感じます~
こういうの好きですが、今はあんまり読む気分じゃないかなあ(笑)
これらの作品のシンさんの解説を読んでいて、なぜか「かまいたちの夜」のゲームがやりたくなりました(笑)

投稿: oshiki | 2006年8月14日 (月) 20時45分

>>oshikiさん
このおどろおどろしい表紙に惹かれてる
変態的な趣味も持ってる私ですヾ(ゝc_,・。)
こういうの好きだったら、気分がわかり次第
是非とも読んでほしいところですね☆
>かまいたちの夜
こちらもなかなか面白いので
是非ともプレイしてみてくださいな♪

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月14日 (月) 21時09分

夏にはこういうホラーとかミステリーっぽいのが良いのかもしれませんね!? 気分を涼しくしてくれそうな予感


でもすいません、正直このタイトルを観て
「あれ? なんでこのブログ官能小説なんて紹介してるんだろう?」と本気で思ってしまいました…俺は…俺はどうしたら?

投稿: アゴル | 2006年8月15日 (火) 00時19分

>>アゴル君
人によると思いますが、姉飼はホラーというより
エログロに分類されるかと思います。
背筋に冷たい汗というよりも
気持ち悪くて脂汗がねっとりといった感じでしょうか。
>官能小説
あながち間違いではないかもですよ^^
一応ホラー小説のためかなり端折ってはありますが
読む人が読めばSM要素がたっぷりだと気づきます。
だから嘆くことはないですよ☆

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月15日 (火) 00時57分

おじゃまです。
シンさんの、レビューを読むと
私の中で伊藤潤二さんの、世界が広がったんですけど、
違いますか・・・ね?
どっちにしろ気持ち悪さ満載のようですね。
読んでみたいけど・・・禁断の扉をあけるようで、
怖さに耐えられないかも・・・(・-・;)

投稿: たまの猫 | 2006年8月15日 (火) 17時24分

>たまの猫さん
言われてみれば「妹の島」は
伊藤さんチックかと思います^^
「姉飼」はもっとエロチックなイメージですね☆
気持ち悪いといっても
姉飼と妹の島だけですのですし
私が大丈夫なので問題なしかと思います(^д^)
(私が変態であてにならないということもありますが)

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月15日 (火) 20時05分

お邪魔します(。-`ω´-)
この本はワルもシンさんと一緒で
財布と相談してなかなか買えずにいた本でした。
帯に書いてある
「君の姉はさぞいい声で鳴くんだろうねぇ・・・」
だけでそそられて買っちゃったんですがww
同じ系統が好きな方にはぜひ読んで頂きたいですわww

投稿: ワル | 2006年8月16日 (水) 00時49分

>>ワルさん
コメントありがとうございます(^v^)
>君の姉はさぞいい声で鳴くんだろうねぇ・・・
そうそう、私もこれがツボでして(:^ー^A
ワルさんも同じ系統なようで嬉しいです☆
ということで今後ともよろしくですm(_ _)m

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月16日 (水) 04時33分

初めまして。
姉飼bフ記事をトラックバックさせて頂きました。ブログの醍醐味だといわれてるトラックバック機能を使うのが初めてなので、もしご不満に思われましたらすいません。。。

投稿: リタ | 2006年10月15日 (日) 04時34分

>リタさん
TBありがとです^^
同じ趣味(?)をもつもの同士
今後ともよろしくですm(_ _)m

投稿: シン@部屋主 | 2006年10月16日 (月) 02時14分

シンさん ども!
すごい表紙ですよね
表題作もそうですが、身体に虫が育つって言うもがとても気持ち悪い この方助教授ですよね 学生がなんと思っているやら

投稿: きりり | 2007年3月 6日 (火) 01時44分

>きりりさん
こんにちは^^
この表紙はほんとインパクトありますよね。
表題作とその虫の話が個人的にはツボだったりです。
にしてもこの方助教授でしたか。
私が生徒だったらもっとグロいのにって言ってたかもです(;´д`)

投稿: シン@部屋主 | 2007年3月 6日 (火) 13時04分

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姉飼 第10回日本ホラー小説大賞受賞の作品。作家は遠藤徹さんて方す。 表紙の無気味さが素敵すぎて買わずにいられず買って読んだらとっても素敵にきもい。 太陽系を越えて銀河系の隅っこの世界に行ってみたい人は読んでみてください。 とってもきもくて不思議な気分。 「姉」を飼うの。脂祭り行ってみたい。串刺しの姉見たい。 キョエー―ーーって鳴く姉の声ききたい。実際いたら怖い。セレブの食い付き100%。 ほんまにほんまに。 実写化して映画化してほしいNo.1のお話。姉の実写版みたい。み... [続きを読む]

受信: 2006年10月15日 (日) 04時29分

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