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失はれる物語

知人が貸してくれました。色んな話がつまった短編集なのでカテゴリわけは難しいのですが、一応ミステリにしておきます。感動系でもよかったかな?

失はれる物語 Book 失はれる物語

著者:乙一
販売元:角川書店
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部屋主の独断ランク:B

多少ネタバレ注意です。

あらすじらしきもの

1章「Calling You」は、友達がいないため携帯電話を持つ必要がなく、それを寂しく思っている女子高生のリョウの物語です。いつしかリョウは携帯電話で夢想することが趣味になっていたのですが、その想像上の携帯にシンヤという1つ年上の男の子から電話がかかってくるのです・・・

2章「失はれる物語」は、交通事故により全身付随になり、体のほとんどの感覚がなくなった男性の物語です。唯一残ったのは右手の感覚と少しだけ動く指だけです。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立てて、毎日その想いを腕に伝え続けるのですが・・・

3章「傷」は、暴力を振るう親のもとですごし、自らも暴力的な振る舞いにより、特殊学級へと入れられてしまった少年の物語です。ある日、そのクラスにアサトという転校生がやってきます。ひょんなことから友人になったアサトは他人の外傷を自分に移動させるという特殊な力を持っていて・・・

4章「手を振る泥棒の物語」は、自分のデザインした時計を売り出したい男性の物語です。彼はそのための資金を得るために、叔母の泊まっている旅館の金庫から泥棒することを決意します。外壁に穴を開け手を入れ、金庫内を探ります。けれど運悪く、同時に中にいた女性も金庫に手を入れていて、2人は壁を隔てて手を握りあうという奇妙な状況が生まれるのです・・・

5章「しあわせは子猫の形」は、孤独に死ぬことを切望する男子大学生の物語です。彼は大学進学にために遠くにある叔父の古い家に独りで住むことにしたのですが、その家ではかつて殺人事件があり、雪村という誰からも好かれたカメラが趣味の女性が殺されていたのです。その家に住み始めた彼の前に一匹の子猫が現れるとともに、雪村の霊と思しき存在を姿をあらわしはじめ、2人と一匹の奇妙な同居生活がはじまるのです・・・

6章「僕の賢いパンツくん」は、友達の少ない小学生と、彼のはく、しゃべる白いブリーフの友情物語です。とても仲のよかった2人(?)ですが、ある日、彼のは母親がブリーフを捨ててしまい・・・

7章「マリアの指」は、飛び込み自殺した姉の同級生「鳴海マリア」の指を手に入れた高校生・恭平が、その死に疑問を持ち独自に調査をはじめる物語です。神々しいまでの美貌を持つマリアの心の闇と犯人は・・・

8章「ウソカノ」は、アニメを見るから帰宅すると言えず、彼女と会うとウソをついたことによって、幻想の彼女との生活を余儀なくされた男子高校生の物語です。ある日、そのウソがクラスメイトの池田君にバレてしまい・・・

部屋主の感想

1章、どこかで見たり聞いたことある話に、現代の必須アイテム携帯と、乙一得意の根暗な主人公(まだ3冊目なのであれですが)を使ってあるあたりがニクイです。でもまぁ独断ランクはCってとこですね。

2章は、表題作ってことで期待していたのですが、何が言いたかったのか、部屋主にはサッパリでした。面白くもないし。ということで独断ランクはEということで。

3章は、これまたどこかで見たり聞いたりしたことある話に乙一得意の影のある主人公が・・・以下、1章の感想と同文です。

4章は、面白いです。ライトノベルというものを部屋主はあまり読んだことがないのですが、こういうテイストなんですかね?ヒネリは足りないものの、状況設定がかなり笑えました。独断ランクはBです。

5章は、とてもいい短編だと思いました。色々とダークな内容や結末も考えていたのですが、見事に裏切られました。というわけで読後の清涼感はたまらないです。独断ランクはAですね。

6章は、4Pの短編ですが、部屋主のツボを直撃でした。まずこのしゃべるブリーフ「パンツ君」がとても男前ですし、それに応える少年もまた男前です。設定も笑えますし、4Pなのにこの濃ゆさは、ほんとたまらないです。是非ともここだけでも立ち読みしてください。独断ランクはですね。

7章は、なかなかによかったですね。ミスリードさせる演出もしっかりやってありますし(もちろん部屋主はミスリードされませんでしたよ←これが言いたかったらしい)、犯人を追う主人公視点で描かれた文章も部屋主個人としてはよかったです。独断ランクはBということで。

8章もけっこう面白いです。ヲタ的な内容だと思いますが、ヲタ的嗜好も持ってる部屋主にはニヤニヤしながら読めました。その上で読後の清涼感がとてもいい感じです。独断ランクはBですね。

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コメント

こんにちは
私は「しあわせは子猫の形」が一番好きでした
ハードカバーを読んだんですが「僕の賢いパンツくん」と「ウソカノ」は入ってませんでした
「僕の賢い..は、面白そう かなり惹かれますね 立ち読みしてみようと思います 

投稿: きりり | 2006年8月 3日 (木) 19時43分

>きりりさん
はじめまして^^
コメントありがとうございますm(_ _)m
私にこの本を貸してくれた知人も
「幸せは~」をオススメしてくれました☆
その二編は単行本のみの書き下ろしだそうです。
だからかどうかは不明ですが
両方ともかなり短いので、
ハードカバー版をお持ちなら
立ち読みでもよろしいかと思います♪
ということで今後ともよろしくですm(_ _)m

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月 3日 (木) 19時52分

乙一さんの本は、読みたいと思いつつ
まだ読んだことがないんですよ。
こちらは短編集なんですね。
見かけたらチェックしますね♪

投稿: あくびネコ | 2006年8月 4日 (金) 13時26分

>あくびネコさん
私もようやく3冊目です^^
なかなかにホロリとく良作がそろっていますよ☆

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月 4日 (金) 14時41分

はじめまして。
トラックバックありがとうございました。

乙一さんの本は本当に面白いですね。
ほかの本も楽しみです。

こちらこそよろしくお願いします。

投稿: ヒマナ | 2006年8月 6日 (日) 11時11分

>ヒマナさん
コメント&トラックバックありがとうございます^^
乙一さんの本はまだ2作しか読んでないですが
なかなかに私好みの作品が多いと思ってます☆
ということで今後ともよろしくですm(_ _)m

投稿: シン@部屋主 | 2006年8月 6日 (日) 13時56分

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受信: 2006年8月 6日 (日) 11時00分

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