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世界で一番いのちの短い国

ここを見てくれている皆様は「シエラレオネ」という国をご存知ですか?アフリカ大陸の西端に位置し、面積は北海道ほど、人口約450万人、5歳になるまでに子どもの3分の1が死んでいき、平均寿命が25~35歳とも言われる、まさに「世界で一番いのちの短い」という国です(2001年当時)。この本は、シエラレオネに「国境なき医師団」から派遣された1人の日本人医師の半年間の記録です。ただ、悲惨な国の状況をそのまま伝えるのではなく、自らの奮闘ぶりなど、笑いあり涙ありという風に描いているので読み物としても非常に面白いです。写真もいっぱいですしね。この記事を書くにあたり数年ぶりにざっと読み直しましたが文句なくオススメです。

ちなみに、学生時代に部屋主を指導してくださった教授の1人がアフリカが専門の人類学者でしたので、国際協力というものに部屋主はとても興味があります。ヒキコモリなのにね。

世界で一番いのちの短い国―シエラレオネの国境なき医師団 Book 世界で一番いのちの短い国―シエラレオネの国境なき医師団

著者:山本 敏晴
販売元:白水社
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部屋主の独断ランク:

内容紹介的なもの&部屋主の感想

1「かみさまのいる国」、2「さまよう心」、3「ことばの力」、4「なかまとの距離」、5「教える情熱」、6「いのちとの戦い」、7「うえにたつ者」、8「わたしのいない日」、9「おおきな仕事」、10「たびだちのとき」の10章から構成されていて、各章がさらに3部に分かれています。

1章では、まずはこの国の簡単な概説、例えば、国民の8割がイスラム教徒であること、電気は基本的に通ってないこと、トイレは自分で掘るといったようなことが書かれています。また、輸血の困難さを語ることで、うまいことこの国の抱える問題を浮き彫りにしています。もちろん貧困問題、そしてHIVです・・・

2章では、この国の「国境なき医師団」の説明と、あとはこの国ならではの笑えない笑い話です。

3章では、シエラレオネのダイアモンドが採れるために起こった(正確には起こされた)悲惨な内戦の歴史が書かれています。「四肢切断」や「子ども兵」の話など、知らない人は反吐がでる話なので読むときはそれなりに覚悟を決めてください。それ以外にも現地文化についても触れられています。呪術師による「医療」や、「通過儀礼」における「性器切除」の話なども知らない人は気分悪くなるかと思います。日本人ならきっと日本に生まれた幸運をしみじみと感じることができるでしょう。少なくとも部屋主はそう感じました。気分悪くなるけれど是非とも読んでいただきたい章です。

4章では、著者がシエラレオネにやってきた目的や、この国で活動する上での悩みや不安が書かれています。例えば、英語・下痢・食事など。国際協力をする上で一番ポイントなるのは人間関係だそうです。

5章では、現地スタッフの医学についての常識テスト(部屋主でもそれなりに答えられるようなレベル)のエピソードを通して、現地の薬事情について語っています。簡単に言うと嘘をつき薬をもらいそれを売って生活する人々と、それによる耐性菌の登場です。なお、スタッフの平均点は10点前後だったそうです。また、国連軍兵士のHIVと現地女性についての問題など、またしても反吐の出そうな話にも触れています。

6章では、マラリアの解説や、著者の日常の診療風景、ラッサ熱(Iエボラ並の致死率を誇る最悪のウィルス性疾患)などについて書かれています(オチつき)。

7章では、国際協力を行う上での計画設計等の決まり事などが書かれています。知識として知っておいてそんはない基礎的なことがまとめられています。

8章では、休みや病院の経営計画、住民の健康教育について書かれています。また、アフリカの近現代史における西欧諸国の侵略などについての著者の考えも述べられています。全くもって部屋主も同感です。いったい何が正しいのかということを考えさてくれますよ。他にも性欲処理の話についても書かれています。男ならわかると思いますがこれは重要な問題です。下ネタが大丈夫な人にはこの本の中で一番笑える章ではあります。

9章では、再び医療教育のことや、州ごとによる医療格差のことなどが書かれています(オチあり)。

終章では、著者の半年の国際協力の成果や、シエラレオネの未来を決める(かもしれない)選挙について書かれています。

最後に、あとがきにかえて本当の国際協力とは何かについての著者の考えが6つのポイントにまとめられているのと、付録として国際協力に使われる統学的手法と、水・衛生・栄養に関する目安が記載されています。国際協力と自己満足の間で揺れる著者の姿勢には非常に好感がもてます。この常に悩むということがあらゆる活動の原点になければならないというのが部屋主の考えであるからです。

ホント、こういう本を読むと半分ヒキコモリでほとんど何もしていない自分に凹みます。ここでこの本を紹介することで何かつながってくれれば嬉しいですなんて他力本願につぶやいてみます・・・自分の足下すら見えてないのに世界に目を向けるのどうかと思いますが、世界に目を向けることにより見えてくるものもあると信じて、今日もヒキコもって読書しているダメな部屋主なのでした。

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コメント

おじゃまします。シンさん
まずは、リンク有難うございました。

アフリカについては、色々考えさせられます。世界からODAを貰っても、そのお金でよそから武器を買っては内戦をし援助金を当てにしては、働かなくなって困るってアフリカの人が言ってたのを聞いた事があります。

貧困だって言ってるのに次々子供生んでは死なせちゃうし
若い子をレイプするとエイズにかからないって言っては5歳6歳の子にも平気でやっちゃうし、アフリカ自身が何とかしようと頑張らなきゃ、どうにもこうにもです。
技術移転だってそれからだと思います。
死にかけた子を映し出して寄付しましょうだけでは何も変わらないと思います。先進国の金持ちは、寄付する事によって優越感を保つためにアフリカを残してるじゃないかと、疑っちゃいます。本気でどうにかしようと思ってるんでしょうか?
油断してると、日本だってどうなることやら
今の所はアフリカ頑張れ
ってエールを送る事しか出来ません
なんたって微力なもので・・・
ちょっと熱くなり長文になってしまいました。
御暇な時にでも読んでやって下さい。

ポチっとありがとうございました。
私もしっかり、ポチっとさせてもらいました。

投稿: たまの猫 | 2006年6月 9日 (金) 19時42分

>>たまの猫さん
>リンクありがとうございます
いえいえ、こちらこそですm(__)m
>アフリカについて
勉強不足といってましたが、
よく知ってらっしゃるじゃないですか^^
話し甲斐があってとても楽しいです♪
>アフリカ自身が何とかしようと
たしかにこれもそうだと思います。
けれど構造的な問題や、いわゆる先進国の干渉により
やりたくてもできないといった要素も
私はあると思うのですよ。
>微力なもので
一人一人は微力でも、
こうして一緒に考えることことから
まずはじめたいと思ってブログやっております^^
ということで、今後ともよろしくお願いしますm(__)m

投稿: シン@部屋主 | 2006年6月10日 (土) 10時55分

ここで目が留まりました。
娘たちは『国境なき医師団』に興味を持っているようです。
まだ二人とも医師の卵の卵ですけど。。。
夫もアフリカなどへ技術援助に行っていますので、子どもたちが興味を持ったのでしょう。 
何か行動を始めなければ何も見えてこないかな、と思います。

私には「リンク」とか言われてもよく分からないのですが
「世界に平和を!」の趣旨は分かりますので、いろいろ教えてくださいませ。
私にもこちらを紹介させていただきたいです。
私は『学校をつくろう!!』さんを紹介しています。
それが「リンク」というのかな?(恥)
ただ今、タイへ行って活動してきた高校生にもお願いしているところです。

投稿: hanachan-234 | 2007年3月18日 (日) 01時00分

>Hanachan-234さん
こんな古い記事にコメントいただけるとはとても嬉しいです。
娘さんが2人ともお医者さんの卵とはすごいですね。
私ももう少しはやく勉強の面白さに目覚めていたら
きっとこういう道も選べたのだと思うと少々羨ましいです。
子供さんたちにとってHanachan-234さんの家庭は
きっと素晴らしいものだったのだと思います。
私もそのような環境だったらよかったのですが
そんなことはもういっても遅いですしね。
なにより
>何か行動を始めなければ何も見えてこないかな
これは今からでも十分に可能ですし。
お互い頑張って未来をより良いものにすべく頑張りましょう^^
リンクの件はとりあえずやってみますので
それでよければOKくださいですm(__)m

投稿: シン@部屋主 | 2007年3月18日 (日) 04時27分

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